(・∀ ・)TRAVELERSのようです

2 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:30:16.35 ID:VyxorjiCO


時は夜、何処かの建物。
シナーは身体中に嫌な汗を流しながら、シナーに背を向けている男に片膝を付いていた。

「……シナー、俺が出した命令、覚えているかな?」


(;ノノハ´)「ハッ、ボス、あの薄汚い浮浪児を連れてくることでごさいます」


背を向ける男の声は優しいが、僅かながらに殺気が篭っている。
喉から出かけた悲鳴を何とか出すまいと、浅く深呼吸する。
シナーは、この男を怒らせればどういう事になるかを、よく分かっているつもりである。



「良く分かってるじゃないか。
で、あの子は?」



3 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:31:06.16 ID:VyxorjiCO
来た。
脂汗が頬を伝う。

(;ノノハ´)「そ、それが…。
モンペを履いた妙な男に連れて行かれてしまいまして…」

ピクリ、と男が反応する。

「モンペを履いた妙な男……?」

(;ノノハ´)「ハッ!糸目で、腰に得物を差した男でございます!」

男はそれを聞くと、何か考えこむように顎に手をやった。

静寂と闇と満月の淡い光。
それだけが部屋を支配する。


「………シナー」

(;ノノハ´)「ハッ!!」

「これが最後のチャンスだ。あの子を連れておいで。
……それと、君が言ってたその男もね。手荒に扱ってはいけないよ」

(;ノノハ´)「ハハァッ!」


4 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:33:22.76 ID:VyxorjiCO

シナーは深々と頭を下げると、早急に姿を消した。
部屋には男一人が残り、満月が彼の顔を照らした。


(    )「……………待ってたよ、兄者」





(・∀ ・)TRAVELERSのようです


第2話 戦うラスト・サムライ 前編






歪む薄い唇は、何を示唆するのだろうか。


男は一人、月を見上げていた。





5 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:36:09.77 ID:VyxorjiCO


゚(・∀。・)「ハムハムハムッハフハフッ!!」

(;´_ゝ`)「ええい食べかす飛ばすな口を閉じて食えちょっせめてフォークを使えってだからスープに手をつっこむなああもう手で口元拭くなお願いだから朝飯くらいちゃんと食べてぇええまたんきいい!!」

lw´‐ _‐ノv「(お母さんだ……)」



VIP大陸の始まりの街、ノックスタウン。

部屋に入る時は必ずノックするように、VIP大陸に入国するにはこの街を通らなければならない。
というのも、一番確実にVIP大陸に入国するルートが、ノックスタウンしか無いからなのであるが。



6 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:39:52.06 ID:VyxorjiCO

モララーを探してこの街に来たはいいが、どうやら俺達は変な拾い物をしてしまったかもしれない。


(・∀。・)「ステーキうめぇえwww」


このクソガキ、名前をまたんき。
俺の巾着を盗もうとした浮浪児だ。

たまたま大通りでぶつかっただけのつもりだったが、最初からスるつもりだったらしい。


いわく、

(・∀。・)「あんな間抜け面さらしてフラフラ歩くなんて、スられて下さいって言ってるようなもんだぜ」


成る程。とりあえず一発殴っといた。



7 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:41:06.64 ID:VyxorjiCO

ゴン!

そ(;∀。;)「痛いっ!」

( ´_ゝ`)「俺の渾身の拳骨の味はどうだ?ん?」

( ∀。 ;)「お、お星様が見えるぅー……」

「ばたんきゅー」と断末魔に近いか細い声を発しながら、テーブルに突っ伏すまたんき。
止めてくれまたんき、食堂のオバチャンの視線が痛いから。

lw´‐ _‐ノv「ホラホラまたんき、口元に色々ついてる」

(・∀ ・;)「じ、自分で拭けるってば!」


ウリウリlw´‐ _‐ノvつ□∀ ・;)イテテテ

( ´_ゝ`)「(お母さんだ………)」



8 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:42:38.29 ID:VyxorjiCO
そういえば昨夜もこんな感じだったな。
ふとそんな事を思いつつ、俺は昨晩の修羅場を思い出す。




……………………………………………………………………………


(・∀ ・#)「フザけんなよテメエ!」

ガタンという音と共に、またんきは俺の襟元を掴み上げる。大した怪力だ。


( ´_ゝ`)「…すまんかった、訂正しよう。
『殺したかもしれない』男だ」

(・∀ ・#)「どっちも一緒だよ!」


またんきの怒りは半端なものではなく、子供のものとは思えない殺気が肌を刺激する。



9 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:48:09.65 ID:VyxorjiCO

またんきを保護し、モララーがまたんきの肉親だという有力な情報を得て3分後。
またんきがこんなにも怒り狂うには、理由があった。

(・∀ ・#)「人のアニキ捕まえておいて殺人鬼扱いしやがって!」

( ´_ゝ`)「あくまでも『可能性』の話だよ、またんき」

息を荒くし、肩が上下に動いている。
そんなに興奮すると、血圧上がって傷が開くぞ。

(・∀ ・#)「あのアニキが…人殺しなんてする筈ないだろ!?」

( ´_ゝ`)「さあな。人なんて簡単に変わるもんさ」

まあ、唯一の肉親を殺人鬼扱いされれば、大多数は怒るだろう。
またんきも、その一人だった。

 _,,_
(・Д ・#)「……ふっざけんなあああああああ!!」



11 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:51:59.29 ID:VyxorjiCO


またんきの怒りがこもった渾身の右ストレートが、俺の頬に飛ぼうとしたその瞬間。



(・∀ ・;)「うわっわあああああああああ!?」


フッ、とまたんきの姿が消えた。
否、文字通り頭上に『浮かんでいた』。

lw´‐ _‐ノv「ハイハイ、またんきストッープ」

(・∀ ・;)「うわわわわわわわわ」

つい、と視線を上に向けると、空中手足をバタバタさせながら、薄桃色の光に包まれたまたんきが浮いている。


lw´‐ _‐ノv「怒る気持ちは分かるけどさ、もちっと落ち着こうよ。
兄者も、またんきが傷つくこと言っちゃダメ」


(・∀ ・;)「はわー……………」

( ´_ゝ`)「へーい」



12 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:53:57.31 ID:VyxorjiCO
再度、またんきを見上げる。
ぽかんと口を開けたまま、ぷらーんと手足をぶら下げ、まるで魚の餌みたくなっていた。
ちょっと笑いそうになったのは秘密だ。


(・∀ ・;)「おーろーしーてー」

lw´‐ _‐ノv「ぼーりょく振るわない?」

(・∀ ・;)「ふるいませーん」

lw´‐ _‐ノv「もうスリもしない?」

(・∀ ・;)「……あー…………………」

lw´‐ _‐ノv「よし、さかさつりの刑だー」

(;Д ;;)「止めますっ!スリ止めるから降ろしてええっうえええええええ!」

( ´_ゝ`)「(面白…………)」



13 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:55:57.46 ID:VyxorjiCO

今度は逆さ吊りにされ、悲鳴を上げるまたんきを、シューは楽しそうにひょいひょい動かす。

…流石にまたんきが可哀想に見えてきた。
そろそろ止めさせるか。

( ´_ゝ`)「シュー、その辺にしてやれ」

lw´‐ _‐ノv「えー」

( ´_ゝ`)「シュー」

lw´‐ _‐ノv「…はぁーい」


渋々、といった表情で、シューはまたんきをベッドの上に優しく降ろす。
可哀想に、顔が真っ青だ。


( ∀ ;)「ぎ、ぎもぢわるゔー………」
lw´‐ _‐ノv「自業自得なり」

ベッドの上でノビたまたんきの背中をさすさすと、シューが撫でてやっている。
端から見れば微笑ましい構図だ。



14 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 09:58:18.02 ID:VyxorjiCO

( ∀ ii)「な、なんだったんだー?今の」

lw´‐ _‐ノv「…………」

シューの、背中を撫でる手がピタッと止まった。

(・∀ ・;)「? シュー?」

またんきが不思議そうな顔で、シューを見上げている。


( ´_ゝ`)「『エスパー』だ。
シューは先天性の超能力者でな。
あのメモも、シューが仕込んだんだ」

またんきの目と鼻の先で、『逃げろ』と書かれたメモをひらひらと見せる。
またんきを保護した際に、拾っておいたものだ。


(・∀ ・)「へー…よく分かんねーけど、シューって凄いんだな!」

lw´‐ _‐ノv「…まあ、ね」



15 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:01:53.72 ID:VyxorjiCO

『エスパー』が何なのかもよく分からないまま、またんきはとりあえず『凄い物』と解釈したらしい。
ぱぁあ、という擬音が聞こえてきそうな眩しい笑顔に、シューは目を細めながら、力なく笑った。


( ´_ゝ`)「今日はもう遅い。またんき、お前も泊まっていけ」

(・∀ ・)「え?いいの?」

( ´_ゝ`)「俺達は今日ココに来たばかりだ。
明日の町の案内役の報酬としては、不十分か?」

(・∀ ・)「………………」

(・∀ ・)「あ!そゆこと!」

またんきは一緒呆けた顔をしたが、兄者の言葉の意味を理解したらしい。



16 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:03:32.43 ID:VyxorjiCO
(・∀ ・*)「じゃっ、お言葉に甘えて…」

と言いかけたところで、またんきの動きが止まった。

( ´_ゝ`)「どうした?」

体のどこかが痛むのだろうか。
ギギギ、と首をゆっくり動かし、またんきは俺とシューに問いかける。

(・∀ ・;)「……ベッド、1つしか無いんだけど?」

lw´‐ _‐ノv「……あー………」

( ´_ゝ`)「…川の字で寝るか?」

(・∀ ・#)「死ね変態」


その後、またんきによる30分弱の俺に対する罵詈雑言が繰り広げられた。

そして俺のガラスハートがこれでもかと踏みにじられ、潰された後、木製床上での就寝刑を言い渡されたのであった。




17 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:05:58.95 ID:VyxorjiCO



……………………………………………………………………………


( う_ゝ`)「あれれ〜?何だか泣きたくなってきたぞ〜?」

lw´‐ _‐ノv「うわっ」

(・∀ ・)「キモッ」
( ´_ゝ`)「マジで泣くぞ」

時刻は既に夕方、場所は変わって昨日の大通り。
保護、介抱、飯代、プラスモララーの情報といった報酬のもと、またんきは案内役を務めてくれている。モララーの殺人鬼云々の流れは、結局うやむやになったままだ。

(・∀ ・)「で、次は何処に行く?」

( ´_ゝ`)「ああ、とりあえず情報の集まりそうな場所とか…」

lw´‐ _‐ノv「兄者」



18 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:09:06.03 ID:VyxorjiCO
またんきに訪ねられ思案していた時、シューがクイクイと俺の服の裾を引っ張って来た。

( ´_ゝ`)「ん?どうした?」

lw´‐ _‐ノv「後ろ」

シューの言葉と、向けられた一瞬だけの殺気に俺は悟り、チラリと背後を見やる。

(ノノ ハ´)

昨日の男だ。確かシナーといったか。
人混みに紛れて姿を隠したつもりだろうが、生憎一度手合わせした奴の顔は忘れない主義である。


( ´_ゝ`)「……」
(・∀ ・)「あれ?兄者?」

またんきは後ろのシナー達に気づいていない。

( ´_ゝ`)「…またんき、走るぞ」

(・∀ ・;)「へっ?」


19 名前: ◆jPpg5.obl6[>>17の修正] 投稿日:2009/10/17(土) 10:12:07.87 ID:VyxorjiCO



……………………………………………………………………………


( う_ゝ`)「あれれ〜?何だか泣きたくなってきたぞ〜?」

lw´‐ _‐ノv「うわっ」

(・∀ ・)「キモッ」

( ´_ゝ`)「マジで泣くぞ」

時刻は既に夕方、場所は変わって昨日の大通り。
保護、介抱、飯代、プラスモララーの情報といった報酬のもと、またんきは案内役を務めてくれている。
モララーの殺人鬼云々の流れは、結局うやむやになったままだ。

(・∀ ・)「で、次は何処に行く?」

( ´_ゝ`)「ああ、とりあえず情報の集まりそうな場所とか…」

lw´‐ _‐ノv「兄者」



20 名前: ◆jPpg5.obl6[>>18の修正] 投稿日:2009/10/17(土) 10:14:17.99 ID:VyxorjiCO

またんきに訪ねられ思案していた時、シューがクイクイと俺の服の裾を引っ張って来た。

( ´_ゝ`)「ん?どうした?」

lw´‐ _‐ノv「後ろ」

シューの言葉と、向けられた一瞬だけの殺気に俺は悟り、チラリと背後を見やる。

(ノノ ハ´)


昨日の男だ。確かシナーといったか。
人混みに紛れて姿を隠したつもりだろうが、生憎一度手合わせした奴の顔は忘れない主義である。


( ´_ゝ`)「……」

(・∀ ・)「あれ?兄者?」

またんきは、後ろのシナー達に気づいていない。


21 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:21:00.25 ID:VyxorjiCO
( ´_ゝ`)「…またんき、走るぞ」

(・∀ ・;)「へっ?」

またんきが素頓狂な声を上げたのと、シューがまたんきの手を掴んで走り出したのはほぼ同時だった。

(;ノノハ´)そ「!」

俺達が駆け出したのを皮切りに、シナー達も慌てて追いかけてくる。


( ´_ゝ`)「……」

(・∀ ・;)「なっ、なんなんだよっ、あいつら!」

路地という路地を駆け抜け振り切ろうとしたが、やはり土地勘の無い俺達の方が不利だったらしい。

気づけば、俺達は大通りから外れ、人気のない場所へと追い立てられていた。



22 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:23:32.28 ID:VyxorjiCO
(;ノノハ´)「…チ、チョコマカと、ゼェ、鼠共が…ゼェ…」
lw´‐ _‐ノv「おじさんウンドーブソク?」

( ´_ゝ`)「年なんだから無理すんなよ」

(;ノノハ´)「よっ余計なお世話でアル!後、我はまだ34でアル!オジサン言うなアル!」

(・∀ ・;)「おじさんじゃん」

( ´_ゝ`)「何だよ、人が折角心配してやってんのに」

lw´‐ _‐ノv「これが今流行りの『つんでれ』というやつか」

(・∀ ・;)「…多分、違うと思う」



23 名前: ◆jPpg5.obl6[>>22修正] 投稿日:2009/10/17(土) 10:25:06.99 ID:VyxorjiCO

(;ノノハ´)「…チ、チョコマカと、ゼェ、鼠共が…ゼェ…」

lw´‐ _‐ノv「おじさんウンドーブソク?」

( ´_ゝ`)「年なんだから無理すんなよ」

(;ノノハ´)「よっ余計なお世話でアル!後、我はまだ34でアル!オジサン言うなアル!」

(・∀ ・;)「おじさんじゃん」

( ´_ゝ`)「何だよ、人が折角心配してやってんのに」

lw´‐ _‐ノv「これが今流行りの『つんでれ』というやつか」

(・∀ ・;)「…多分、違うと思う」




24 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:30:31.85 ID:VyxorjiCO

とまあ、そんなやり取りとしている内に、俺達は囲まれてしまっていた。


ΩΩΩΩ

ΩΩΩΩ

グルリ、と円形に俺達を囲んでいる。
逃がしてくれそうに無いな、こりゃ。


( ´_ゝ`)「…やるしかない、か」


嵐の前の静けさ。
シナーが向き合い、互いを見据える。

先に動いたのはシナーだった。

(ノノ ハ´)「ハァッ!」

(;´_ゝ`)「ッ」

脱兎の如く地を蹴り、飛び膝蹴りを繰り出してくる。
間一髪でそれを避け、耳元でヒュッと風を切る音が唸る。
標的が避けた事でシナーは着地し、つま先でクルリと回って俺に向き直った。



25 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:40:09.55 ID:VyxorjiCO

シナーの発言で、またんきが汚物を見るような目で俺を見る。
そんな目で見たって、俺は感じないからな!

( ´_ゝ`)「戦うのめn…好きじゃないからなあ」

(・∀ ・;)「今面倒って言おうとしたろ」

(´く_` )

(・∀ ・;)「こっち見ろよ」

コキコキと首を鳴らす俺に、またんきが親父臭いと呟いていた。もっぺん殴られたいか、コラ。

シナーはそんな俺達を怪訝そうな表情で見ていたが、直ぐにポーカーフェイスに戻し、腰のホルダーからヌンチャクを取り出し、ニヤリと笑いながら構えた。


(ノノハ´)「かかって来るヨロシ、アニジャとやら。
我と勝負するヨロシ」



26 名前: ◆jPpg5.obl6[>>25修正] 投稿日:2009/10/17(土) 10:42:30.80 ID:VyxorjiCO

(ノノ ハ´)「昨日は不意討ちだったからやられたものの、今回は負ける気がしないアル」

(・∀ ・;)「ふ、不意討ちって兄者…」

シナーの発言で、またんきが汚物を見るような目で俺を見る。
そんな目で見たって、俺は感じないからな!


( ´_ゝ`)「戦うのめn…好きじゃないからなあ」

(・∀ ・;)「今面倒って言おうとしたろ」

(´く_` )

(・∀ ・;)「こっち見ろよ」

コキコキと首を鳴らす俺に、またんきが親父臭いと呟いていた。もっぺん殴られたいか、コラ。

シナーはそんな俺達を怪訝そうな表情で見ていたが、直ぐにポーカーフェイスに戻し、腰のホルダーからヌンチャクを取り出し、ニヤリと笑いながら構えた。



27 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:44:46.81 ID:VyxorjiCO

(ノノ ハ´)「かかって来るヨロシ、アニジャとやら。
我と勝負するヨロシ」

(;´_ゝ`)「いやだから面dうぉわっ!?」

シナーは、俺の言葉なんぞどこ吹く風と云わんばかり。

鼻を叩き潰そうと、接近してはヌンチャクを振り回し、避ければ蹴りや拳をその体に叩きつけんと迫って来る。

(・∀ ・#)「やれー!兄者やっちまえー!」

lw´‐ _‐ノv「キンタマねらえ兄者ー!」

(;´_ゝ`)「うわばばばばばばば」

(#ノノハ´)「避けてばかり居ないで戦うヨロシ!
その腰の得物は飾りアルか!?」

そう叫びながら、ブン!とヌンチャクを再度鼻に向けて振り降ろすシナー。
俺はそれを、


(;´_ゝ`)「ほぁあッ!」

(;ノノハ´)「なっ!?」

真剣白羽取りで受け止めた。


28 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:48:57.25 ID:VyxorjiCO

(#ノノハ´)「キ、キサマ!離すのでアル!」

(;´_ゝ`)「だが…!」

ガッ、とヌンチャクを掴んでいた手の形を変え、

(;ノノハ´)「このっ、馬鹿力……!」

( #´_ゝ`)「……断るっ!!」

(;ノノハ´)そ「ぬるぽああああああああああああああああああああああ!!」

シナーを、空へと投げ飛ばした。



 ・+ キラ-ン
   ∧
アアアアアアアアァァァァァ……





29 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:51:49.75 ID:VyxorjiCO

( ´_ゝ`)「たーまやー」

(;゚∀ ゚) ポカーン

lw´‐ _‐ノv「かーぎやー」

ΩΩΩΩ ポカーン

手を腰に当て、俺とシューは空を見上げる。
軽く20メートル飛んだだろうか。

  ・
  ∧
ァァァァァァァアアアアアアアアアアアア

ゴスァッ!!

(;ノノハ )そ「モルスァ!」

ΩΩΩΩそ「シナーさああああああんんんんん!?」



30 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 10:56:50.26 ID:VyxorjiCO

lw´‐ _‐ノv「おおう、痛そう」

(・∀ ・;)「…同情するぜ、オジサン…」

(;ノノハ )「…オジサン…言うな……」

( ´_ゝ`)「あ、生きてた」

(#ノノハ´)そ「勝手に殺すなアル!」

ガバァッと勢い良く飛び起きたシナー。
うん、元気なのはいい事だ。
だが、やはりアバラの2、3本は折れただろう。
部下に支えてもらいながら、シナーは怒りに喚く。



31 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:00:30.36 ID:VyxorjiCO
(#ノノハ´)「ええい!お遊びは終わりでアル!
我達はお前等を『あのお方』の元へ届けなければならんのでアル!」

  _,
( ´_ゝ`)「あのお方?」

ピクリ、と眉間に思わず皺が寄る。
またんきやシューも不審そうな表情で、シナー達を睨み付けた。

(#ノノハ´)「『あのお方』は怒っていらっしゃるのでアル!逆らったら――……!」



「こ う な る ん だ よ」




32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/10/17(土) 11:02:26.69 ID:VyxorjiCO














33 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:05:25.19 ID:VyxorjiCO






( ∀  )「……………ん…」

(・∀ ・)パチッ 「ん?」

ふと気がつくと、俺達は何処かの部屋に居た。

おかしいな。こんな所に来た記憶が全く無い。
俺達はシナー達に囲まれていて、それで……、嗚呼駄目だ、思い出せない。まるで記憶の一部分を根こそぎ引き抜かれた気分だ。

部屋を見渡すと、俺達がいるのは中々広い部屋だった。
取り付けられた、縦に細長く幅の広い窓から月光が差し、真っ暗な部屋を照らしている。

その美しい光は、気絶した兄者とシューにも降り注いでいた。



34 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:08:24.07 ID:VyxorjiCO

(  _ゝ )「……」

lw;´  _ ノv「うう……………」

(・∀ ・;)「シュー!兄者!」


慌てて駆け寄ろうとした時、俺の耳にジャラッという金属が擦れ合う音が入る。

(・∀ ・;)「え………?」

いつの間にか、俺の両足首が鎖に繋がれていた。
よく見ると、兄者とシューも鎖で拘束されている。兄者に至っては手首も封じられていた。

(・∀ ・;)「兄者っ!シュー!起きろってば!あに」




「やあ」





35 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:11:15.95 ID:VyxorjiCO



どこか、背筋がゾクリとする、ゆったりとしたバリトンヴォイス。

その男は何時から居たのだろう、またんきに背を向けて、窓越しの満月を観賞しているようだった。


(    )「目、覚めたみたいだね」



穏やかでゆっくりと、しかし、その声は、発するだけで俺の心臓を締め上げんとばかりの殺気がこもっているような気がした。

生唾を飲む音が、厭に部屋に響いて。


(・∀ ・;)「……誰だ、アンタ」

足を引きずりながら、兄者達の方へ下がる。


(    )「警戒しなくていいよ。
君を傷モノにしたら、モララーに叱られてしまうからね」



36 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:14:04.11 ID:VyxorjiCO

モララー。
確かに男はそう言ったか。

(・∀ ・;)「…兄貴を、知ってるのか?」

(    )「知ってるも何も、彼は俺の同士だからね」

事も無げに、男は言う。

そして、ゆっくりとこちらへと顔を向け。

そして、またんきは再度驚愕する。




37 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:17:24.05 ID:VyxorjiCO




(・∀ ・;)「……う、嘘だろ…………」


振り向いた男の、その顔は。



(´<_` )


(  _ゝ )


紛れもない、後ろで気絶している筈の兄者の顔だった。







38 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:18:54.33 ID:VyxorjiCO




(・∀ ・)TRAVELERSのようです



第2話 戦うラスト・サムライ 前編 終.






39 名前: ◆jPpg5.obl6 投稿日:2009/10/17(土) 11:22:29.15 ID:VyxorjiCO

次回予告


兄者の双子の弟と名乗る男、弟者。

弟者は、自分こそが家族を皆殺しにしたと自白する。

そして、混沌が忍びよる―――……。



第2話 戦うラスト・サムライ 後編


乞うご期待!




戻る 次へ

inserted by FC2 system