- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:21:07.27 ID:/fqd/moL0
- 人物紹介
( ><) ビロード 主人公、18歳の子供っぽい青年
田舎から上京してきた。202号室住人。
从 ゚∀从 ハインリッヒ ××歳の女性 管理人代理
甘いものとお酒が大好きな独身女。少しだけ変えられない未来が見える。101号室住人
('A`) ドクオ 22歳男
うだつのあがらないフリーター。モララーが嫌い。102号室住人
( ・∀・) モララー 28歳男
全体的に謎の多い男。ドS。103号室住人
川 ゚ -゚) クー ××歳
人と関わるのが苦手。霊に愛される自覚の無い霊媒体質。203号室住人
( <●><●>) ワカッテマス 28歳男
ビロードの兄、故郷で医者をやっている。久々に弟に会いに来た
lw´‐ _‐ノv シュー
ビロードの大学の先輩、不思議系サークル所属
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:22:06.17 ID:/fqd/moL0
( ><)「おぉ……」
( ・∀・)「おーい、荷物下ろすの手伝ってー」
( ><)「おぉ……」
从'ー'从「あのっ、私も手伝いますぅ」
( ・∀・)「あ、じゃあこれ持って」ドサッ
从 ゚∀从「おいなんで全部渡した、か弱い乙女に喧嘩売ってんのか」
( ><)「おぉ……」
(;'A`)「案の定……酔った……うぇっ……気持ち悪い……」
川 ゚ -゚)「大丈夫か? 顔が紫色だぞ?」
( ><)「おぉ……」
( <●><●>)「ビロード、さっきから何おうおう言ってるんですか、アシカみたいですよ」
(*><)「ホテルでっかいんですー!! すごっ!!」
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:23:12.24 ID:/fqd/moL0
〜( ><)はVIP荘に住むようです〜
第十一話 VIP荘様、御一行 〜ぶらりアパート湯煙旅情A〜
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:25:39.17 ID:/fqd/moL0
( ><)「モララーさん!モララーさあん! 僕、モララーさんのことだから、またおかしなところに案内されるのかと思ってたんです!
でも違ったんですね!!まともなところも選ぶんですね!」
( ・∀・)「はははー、素直すぎるのも考え物だぞーう、このー」
(;><)「うぁあっづぅっ!」
激しいデコピンが脳天直撃したが、僕のテンションは留まるところなく上昇中だ。
例えるならば、手に入らない欲しかった物が、手に入ったようなテンション。だってこれ見て下さいなんです!
(*><)「ホテル!温泉!」
温泉なんていうから、僕はてっきり老舗旅館みたいなのを想像していたのだけど、今目の前に聳え立つそれの外観はホテルに近かった
アパート周辺にあるビルよりも高いここは、もしかしたら僕が生まれて初めて泊まる高層ホテルなのかもしれない。
そりゃあテンションもあがるってもんだ。
一人はしゃいでいると、後ろからドクオさんが青い顔で、ふらつきながら言う
(iii'A`)「いいから……早く部屋行きませんか……俺もう色々と限界です……うぇっ……」
川*゚ -゚)「あ、あぁ、荷物を置いて近くを探索したい……!……ん、だろ? ビロード? な?」
( ><)「クーさん、行きたいなら行きたいってはっきり言っていいと思うんです」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:27:34.44 ID:/fqd/moL0
□□□
:从'ー'从:「ところで皆、荷物持ってくれない? ていうか全部私に持たせていいと思ってるの?ねぇ、おいこら」
つ□□□と
( ・∀・)「とりあえず部屋に荷物置くからついてきてー、あ、ハインちゃんまだもてる?他に荷物あるんだけど」
从 ゚∀从「ぶっ殺すぞモララーてめぇ」
( <●><●>)「半分持ちましょうか?」
从*'ー'从「いえ、大丈夫です! 私母親ケンタウロスですから! 力持ちです!」
( ・∀・)「いやそのアピールはダメでしょ……。っていうかそれ、アピール?なんの?」
(*<●><●>)「愉快な方ですね」
( ・∀・)「ワカッテマス、君もちょっとおかしいね」
(*><)「お兄ちゃんもモララーさんも何やってるんですか? 早く中に入りましょうなんです!」
ゆっくりと歩いている皆を尻目に、誰よりも先にホテルへと向かっていくと、全員がどこか呆れたような
苦笑した表情で僕を見ていた。
( ><)「なんですかー!早くいきましょ!早く!」
( ・∀・)「はいはい、ワカッテマス、元気な弟だね」
( <●><●>)「自慢の弟です」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:29:22.94 ID:/fqd/moL0
その中で、モララーさんとお兄ちゃんが仲良さそうに話しているの見えた
モララーさんとお兄ちゃんは同い年のせいか、車の中でも仲良さげに話していたのを、僕は覚えてる。
田舎ではお兄ちゃんくらいの年代の人は皆都会に出てしまって、お兄ちゃん、結構友達いなさそうだったから
誰かと仲良さそうにしていると、嬉しいんです。
(*><)「えへへ」
( <●><●>)「? どうかしましたか?」
(*><)「……なんでもないんですっ!」
( ・∀・)「っていうかさ、入る前に写真でも撮ろうよ、僕デジカメ持ってきたから」
走っている僕を引き止めて、モララーさんがポケットからデジカメを取り出した
前チラシに乗っていた、新しいタイプのデジカメだ。いいなあ
アパート皆で記念写真、というには一人足りないけど、僕は大賛成だった
しかし、皆あまり乗り気な感じではなく、ドクオさんに至っては露骨に顔を顰めている
(;><)「どうしたんですか?撮りましょうなんです!」
(;'A`)「いやぁ、お、俺は遠慮します……写真ってあんまり好きじゃなくて……いつも隠れるし」
川д川川 ゚ -゚)(写真……今まで一緒にとってくれる人ってあんまりいなかったなぁ……)
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:32:14.06 ID:/fqd/moL0
从#'ー'从「メイクも崩れて、こんな重い荷物持たされてるのに写真ってモララーお前なあ……」
(;><)「…………」
( ・∀・)「なーんだよ、皆ノリが悪いなあ」
モララーさんだけが口を尖らせて、デジカメをポケットに仕舞おうとしたが、僕はその手を制して言った
( ><)ノ「モララーさん! 僕! 僕は皆と一緒に撮りたいんです!」
だけど、せっかく皆と一緒に旅行にきたんだ。どうせなら思い出に一枚は撮っておきたい
大切な人がずっと傍にいるなんて限らない、もしかしたら突然いなくなるかもしれない
だから、一瞬を大切にしなさいって、そう教えてくれたのはお兄ちゃん
( ><)「僕、アパートの皆が大好きです! 大好きだから、皆と一緒に写真撮りたいんです!」
( <●><●>)「ビロード……」
( ><)「一枚でもいいんです、僕は、ここに皆と来た記念に、写真欲しいんです」
('A`)「…………」
从 ゚∀从「…………」
川 ゚ -゚)「…………(想い出の写真、今まで一枚も撮ったことなかったなあ……見たことも……)」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:34:58.37 ID:/fqd/moL0
しかし返ってくるのは沈黙ばかりだった
(;><)「やっぱり……だめですか? 皆写真嫌いなんです?」
( <●><●>)「いえ、撮りましょう」
皆が黙ってしまった空気の中で、お兄ちゃんが笑いながら、デジカメをモララーさんからひったくった
( ・∀・)「あ、取るなよお前ー」
( <●><●>)「誰か他の人に頼んで全員で撮ります、そうしましょう、そうします」
( ・∀・)「いきなり仕切るなオイ」
( <●><●>)「弟第一に考えてますから」
( ・∀・)「ブラコンめ」
そういいながらもモララーさんお顔は笑っていて、お兄ちゃんの提案は結局受け入れられることになった
気が付けば皆集まっていて、服装を正したりしている
从'ー'从「ま、ワカッテマスさんが言うなら〜」
川*゚ -゚)(友達と、写真……か)
σ('A`)「一枚くらいなら、まぁ……」
クーさんはちょっと嬉しそうで、ドクオさんはいやそうだったけど、しぶしぶ輪の中に入ってくれた
ホテルの看板の前で皆で並ぶと、モララーさんが通り縋った女性客に写真を頼んでくれた
- 23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:37:36.96 ID:/fqd/moL0
その人は快く受けいれてくれて、僕達は並んでポーズをとる
ホテルの名前がわかるように、ちょっとしゃがみ込んで
从 ゚∀从「おいモララーもうちょっと真ん中に詰めろ」
( ・∀・)「だってよ、おい、つめろ」
('A`;)「押さないでくださいよもう!」
( <●><●>)「ちゃんとチーズするんですよ」
( ><)v「はいなんです!」
川д川川*゚ -゚)v(チ、チーズ……)
||‘ー‘||レ「いいですかー? 撮りますよー、はい、チーズ!」
カシャッ
v从 ゚∀从( ・∀・)('A`;) 川д川
( <●><●>)*><)v(゚- ゚*川v
宝物が、一つ増えた
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:39:13.90 ID:/fqd/moL0
*
ホテルの中に入ると、モララーさんがフロントからカードキーを受け取る。
当たり前だが女性部屋と男性部屋に分かれているらしく、一方の鍵はハインさんへ
もう一方の鍵はモララーさんが持つことになった。
洋風な外装だから、てっきり部屋も洋風だと思っていたが、部屋は和室で選んでいるらしく
ハインさんたちの方がツイン、僕達はツインより少し大きめの部屋になっているらしい
( ・∀・)「失くさないでね〜、ハインちゃん忘れっぽいから」
从 ゚∀从「うっせえ、わかってるよタコ野ろ……」
( <●><●>)
从;'ー'从「……わかってるよぉ〜〜モララーくうん」
(;・∀・)「……そろそろそのキャラきつくない?ていうか僕達もきついんだけど」
从;'ー'从「そんなことないよ〜うふふ〜」
(;・∀・)「ははは……」
ドクオさんが自分のやけに少ない荷物を抱えて、エレベータの方へと向かっていく
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:41:01.92 ID:/fqd/moL0
('A`)「ところで部屋って何階ですか? このホテル結構高いみたいですけど」
( ・∀・)「21階、お前、階段上ってる途中倒れるなよ、じゃーな」
(;'A`)「なんで俺だけ階段で行かなくちゃいけないんですか! 俺だってエレベータ乗りますよ!」
( ・∀・)「残念、定員オーバーだ」
(;'A`)「どうしてアンタはそうやってすぐ嘘つくんですか」
( ><) カチカチカチカチ
( <●><●>)「ビロード、ボタンを連打したところでエレベーターは早くはきませんよ」
(;><)「わ、わかってるんです!もうっ」
川*д川川;゚ -゚)そ カチカチカチ
やがて上行きのエレベータが降りて来て、僕達は荷物を持つとエレベータの中に乗り込んだ
聞くところによると、このホテルは近隣でも有名な所らしく
今のシーズンはかなり込み合ってるとモララーさんがエレベータの中で話してくれた
ガイドマップにも乗っている有名所らしい
( ><)「そんなところ、よく予約取れましたね」
( ・∀・)「まぁ僕のコネの成せる業といいますか」
('A`)「アンタ一体なんの仕事やってるんですか? やっぱホストか」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:43:49.35 ID:/fqd/moL0
( ・∀・)「ははは、違うよ」
(;><)(違うんだ……)
モララーさんは否定したが、僕はてっきりホストっていうか夜のお仕事の人かと思ってました
今日は違うけど、スーツ姿のことが多いし、相変わらず謎の多い人なんです
エレベータが21階に着くと、荷物を置いた後ロビーに集合ということで、クーさんハインさんとは別れ
僕とドクオさん、モララーさんとお兄ちゃんの4人は部屋へと向かった
( ・∀・)「僕らは347号室ね、オートロックだから、出たら入れなくなるから忘れないようにね」
( ><)「はいなんです」
( <●><●>)「わかってます」
('A`)「わざと締め出したりしないでくださいね」
( ・∀・)「それはなんともいえないねえ」
(;'A`)「なんで」
347号室の扉を開けると、そこには落ち着く和風空間が広がっていた
(*><)「おぉー!」
外観は洋装だったのに、中は襖と屏風で区切られた中にテーブルと座布団
テーブルの上には、この旅館の名物っぽいお饅頭が4人分置いてある
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:45:05.13 ID:/fqd/moL0
僕はなんとなく、修学旅行を思い出した
靴を脱いで部屋の中に走って行くと、窓からは遠くの方に海が見えて
窓を開けるとなんとなく潮の香がしてくるような錯覚を覚えた
ただ、下のほうには、小さなビルが立ち並んでいる当たり、田舎ではありえなかった風景
そもそも、僕が住んでいた地域にこんな大きなビルはなかったわけだけれど
( ><)「高い!高いんです!」
( <●><●>)「ビロード……あんなに嬉しそうに……」
('A`)「あぁ疲れた……、俺は今日一日中ここで休んでてもいいですか……」
( ・∀・)「何言ってんだよダメに決まってるだろ、立て立て」
ガスッ
(;'A`)「け、蹴るな!クソ!」
襖で仕切られた一室にはちょっと高めのテーブルと椅子が置いてあり、僕はそこに座って窓を眺める
景色のいい風景に僕はにやついて、ここでバスローブでも来てワインとか持ってたらとか考えてしまった
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:46:17.88 ID:/fqd/moL0
( ><)「なんだかとってもセレブな気分!」
( <●><●>)「あぁ……ビロード……あんなに楽しそうに……」
( ・∀・)「君も随分楽しそうだぜ」
( <●><●>)「家族旅行すらあまり行ったことのない私たちにとって、この旅行はありがたかったです、ありがとうモララー」
( ・∀・)「いやいや」
( <●><●>)「そんな優しい君は、デジカメを私に預けてください」
( ・∀・)「それは断る」
( <●><●>)「何故ですか」
( ・∀・)「お前に預けたらビロードの写真ばっかりになりそうだから」
(;<●><●>)「いけないんですか!?」
(;・∀・)「いけませんよ! 平等に撮ろうぜ!」
('A`)「なぁ、早く行かないとまた早くハインさんにどやされるぜ」
( <●><●>)「ハインさんは穏やかな性格の方じゃないですか」
(;'A`)(えっ!? 騙されちゃうの? アレで!? ワカッテマスさん意外と簡単だな!)
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:48:35.94 ID:/fqd/moL0
( ><)「セバスちゃん! ジュースをお願いします!」
(;'A`)「おい、ビロード落ち着け!お前がしっかりしなくてどうすんだ!?」
チャラリ〜ン
(;'A`)「っていうかビロード、携帯鳴ってる!絶対ハインさんだよこれ! 確実に早く来いって電話だよ!」
(*><)「あ、なんかパズル置いてある、やってもいいですかね!」
(;'A`)「後にしろ後に!! ……ああもう、面倒くせーけど行くぞ!」
( ><)「人がゴミのようなんです……」
(;'A`)「ビロード!」
面倒くさそうだけど、基本的に面倒見の良いドクオさんは立ち上がり、荷物を放り投げると
モララーさんから鍵をひったくった
夢見心地な僕を椅子から引っつかんで立たせると、お兄ちゃんににらまれてはいたが
それどころではないらしく、皆でロビーへと向かった
この一連の流れで、ドクオさんも車酔いがさめたらしい
疲れたようなため息を吐いていた
……なんか、ごめんなさい、調子に乗っちゃったんです
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:50:38.36 ID:/fqd/moL0
*
(;'A`)「お待たせしましたー」
ロビーに着くと、ハインさんがイライラとしたような表情で、腕を組んで待ち伏せていた
近付いてくるドクオさんの胸を掴んで、睨みつけた
从#゚∀从「おっせーよ!どんだけ待たせてんだ!カス!」
⊂彡
(#)A`).。「俺頑張ったのに!!」
(;><)「ドクオさーん!」
( <●><●>)「申し訳ありません、遅れました」
从'ー'从「いえ、私たちも今来たとこですから〜」
σ(#)'A`)「無理があるだろそれは! 俺の腫れあがった頬を見ろよ! 騙されるかよ!」
しかしハインさんは目もくれずまた猫をかぶることに専念していた
いい加減、あのキャラ止めればいいのになあ、と僕は思う
大人しいハインさんはなんだか面白いですけど、やっぱり僕は元気なハインさんが一番好きなんです
( ・∀・)「あれ?クーさんは?」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:53:09.49 ID:/fqd/moL0
そのとき、モララーさんがクーさんがいないことに気づいたらしく、あたりをキョロキョロと見回している
そういえば、ハインさんと一緒にいると思ってたのにいないんです
僕も近くを見回していると、お土産屋さんの方にその姿を見つけた
( ><)「あ、あそこ……」
ウキウキ
川*゚ -゚)っ人
クーさんはロビー付近にあるお土産屋さんを満喫していた
地元に住んでいるのだから、ここで買わずとも買えるものばかりなのに
外にあまり出ないクーさんには珍しくて仕方ないのかもしれない
あのルックスのせいか、周りの男の人たちが顔を赤くしてクーさんの方を見ているけれど
それに気づく気配すら微塵もなかった
まあ、話しかけたところで貞子さんに呪われるだけなんですけどね
川*゚ -゚)「買うべきか……買わないべきか……」
それにしても、お土産としてはあまり欲しくない置物の方ばかり見ているあたり
もしかしたらクーさんは余計な物を買い込んでしまうタイプなのかもしれない
( ><)「クーさん!行くんですー!」
川 ゚ -゚)そ
川*゚ -゚)「あ、ああ、すまん、ちょっと夢中になってしまった」
- 46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:54:43.41 ID:/fqd/moL0
声をかけるとちょっとだけ顔を赤くしながら戻ってきたが、そのクーさんの手にはすでに袋が握られていた
か……買っちゃったんですか……
川*゚ -゚)「見ろ、今回は旅館のオリジナルマスコットだぞ」
(;><)「はぁ」
川 ゚ -゚)「私はこのあたりのオリジナルマスコットキーホルダーを制覇しようと思うんだ」
何のために!?とは聞けませんでした
嬉しそうに笑うクーさんにそんなことを言うのがKY発言だってことくらい、僕にだってわかります
( ><)「応援してるんです……」
川*゚ -゚)「ああ、ありがとう!」
僕達がそんなことを話している間に、モララーさんが車のキーを取り出して
玄関の方へ歩いていくのが見えたので、慌てて後を追った
そういえば、今日これからどこに行くかとか全然聞いてなかったんです
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:56:30.22 ID:/fqd/moL0
( ><)「待ってくださいなんですー!」
( ・∀・)「遅い遅い、そんなんじゃ世界は護れないよ」
(;><)「僕の肩には重すぎる!」
( ・∀・)「男の子なら正義の味方に憧れるもんだぜー」
('A`)「アンタは悪役ポジションですけどね」
从'ー'从「じゃあ、私はヒロインかなあ〜」
('A`)「残念ながらヒロインは十代って相場は決まってるんですよ」
ゴ ゴ ゴ
从 ゚∀从「え? 何? 聞こえない」
('A`;)「…………なんでもないです」
( ・∀・)「いっくよー」
全員がモララーさんの車に乗り込むと、目的地は聞かないままに、車を出発させた
僕はあらかじめ持ってきていたポッキーをつまみながら、モララーさんに聞いてみる
( ><)「ところでモララーさん、これからドコ行くんですか?」
( ・∀・)「え?特に決めてないけど」
(;><)「えぇえー!?」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:58:23.45 ID:/fqd/moL0
き、決めてないんですか!?てっきり全部プランが用意されてるものだと思ってたんです!
( ・∀・)「いやー、決めてたには決めてたんだけど、特に予約とかはしてないし、ワカッテマスの行きたい所連れてくけど
一応そういう趣旨の旅行だしね」
( <●><●>)「いえ、私は弟の顔を見に来ただけですので、皆さんの好きなところ
もといビロードの好きなところでいいですよ」
( ・∀・)「だって、どうするビロード?」
(;><)「ええぇー」
いきなり僕に振られても、そんな計画とか立ててなかったんです
ミルナくんに借りた地図は地図として間違えているし、ハインさんとモララーさんがノリノリだったから
そっちが行くところを決めているもんだと思ってたから
一体どうすればいいんですか?
僕はポッキーを食べながら考えた
('A`)「別に深く考える必要はないんじゃないの……、今まで行きたかったけど行けなかったところとか
この機会に言っちゃえばいーじゃん」
(;><)「ド、ドクオさんは行きたいところないんですか?」
('A`)「別に、地元だし」
(;><)「あ、じゃあ、クーさんは!?」
川 ゚ -゚)「私は、どこでも楽しいぞ」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 22:59:53.58 ID:/fqd/moL0
(;><)「うぅ〜〜……」
( ・∀・)「………………」
僕がしばらく何処へ行こうか決めかねていると、モララーさんが見かねたように口を挟んできた
( ・∀・)「じゃ、とりあえずお昼にしようか、この近くに美味しい豚丼屋があるって聞いたんだけど」
(;><)「!そ、そうですね!」
気がつけばもう時計は12時を回っていて、お昼には丁度いい時間帯だ
僕の返事を聞くとモララーさんはウインカーを出して左側に曲がる。件の豚丼屋に行くのだろう
( ・∀・)「肉ダメなやつとかいる?いないよね」
('A`)「俺、あんまり重いのは……」
( ・∀・)「大丈夫、食える食える」
('A`)「聞く気ねーだろ、あんた」
( <●><●>)「私、詳しくないんですがこの辺は豚丼が有名なんですか?」
川 ゚ -゚)「そうみたいだな」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:02:23.16 ID:/fqd/moL0
( ><)「お兄ちゃん、もしアパートに来てたらクーさんの料理食べるとよかったんです、すごい美味しいんですよ!」
川*゚ -゚)「い、いや……そんなことは……」
( <●><●>)「そうなんですか、是非今度頂きたいものですね」
川*゚ -゚)「ぅ、……あ、あぁ、喜んで」
从 ゚∀从「………………」
从 ゚∀从(クー、クー!)
川 ゚ -゚)「ん?」
コソッ
从*゚∀从(……帰ったら料理教えて)
川 ゚ -゚)(ハインだって料理はそれなりにできるじゃないか)
从*-∀从(上達させるんだよ!)
( ・∀・)「ただ豚丼っつっても、他の料理も置いてるから、まぁ好きなの頼めばいいさー」
('A`)「あ、じゃあ肉使ってない奴も……」
( ・∀・)「いや、肉しかないけど」
('A`)
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:04:55.90 ID:/fqd/moL0
- *
十分ほどして着いた店は、僕が想像していたものよりもこじんまりとしたところだった
個人で経営しているところらしく、駐車場も2、3台の車が止めれるくらいのスペースしかない
モララーさんは慣れた様子で、車を止めると暖簾をくぐって店の中に入って行った
( ・∀・)「やー、止めれてよかった、どうもー」
( ><)「いい匂いがするんです!」
('A`)「なんか腹減ってきたな……」
漂う香が、僕達の食欲を刺激する
店に中に入ると、店主っぽいおじさんが活きのいい声をかけてくれた
( ゚∋゚)「へいらっしゃーい!!」
('、`*川「何名様ですか?」
( ・∀・)「6人で」
('、`*川「こちらのお席へどうぞー」
( ゚∋゚)「おっ、モララーじゃねえか!」
( ・∀・)「どうもー」
- 61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:06:52.87 ID:/fqd/moL0
( ><)「知り合いなんですか?」
( ・∀・)「まぁね」
どうやらこの厳つい店主さんと、モララーさんは知り合いらしい
( ゚∋゚)「あん時はありがとよ!今日はサービスするから、食ってってな!」
( ・∀・)「ありがとうございます」
本当、顔の広い人だ
席に着いて、メニューを見ると、豚丼以外があるといっても、殆ど豚丼主体のようなメニューだった
だけどお腹のすいている僕にはあまり関係のない話で、その中でも一番スタンダードな豚丼を選ぶ
こういう所のは、シンプルなのが一番美味しい、という勝手な思い込みで僕は豚丼単品を注文した
( ><)「僕、この豚丼で」
('A`)「じゃあ俺、このおろし豚丼ってやつ……」
从'ー'从「私はこの月見豚丼」
川 ゚ -゚)「私もそれを」
( <●><●>)「じゃあ、私はビロードと同じ豚丼で」
( ・∀・)「了解、すみませーん、注文いいですかー?」
('、`*川「はいはーい」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:08:43.75 ID:/fqd/moL0
すぐに定員のお姉さんがメモ片手に走ってきた
( ・∀・)「豚丼二つにおろし豚丼一つ、月見豚丼二つと、メニューに載ってないスペシャル豚丼一つで」
('、`*川「かしこまりました」
(;><)「ぇええええええ!!」
( ・∀・)「おいおいビロード、店内では静かにしようぜ」
(;><)「いや、いや、なんですかスペシャル豚丼って!そんなのあるなら教えてくださいよ!」
知ってたらそれにしたのに!!
しかし他の人たちはもう当たり前のように水を飲んだり、次何処に行くか相談していたりしていた
なんですか、この空気は、僕だけですか、可笑しいと思っているのは!
(;><)「皆、特に不満はないんですか」
('A`)「この人の性格上、そういうのはわかりきってるだろ」
从'ー'从「そうそう」
(;><)「……お兄ちゃんは? よかったんですか?」
( <●><●>)「お兄ちゃんは豚丼が食べたかったので、別にスペシャルじゃなくても大丈夫ですよ」
(;><)「そうですか……」
- 68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:11:45.87 ID:/fqd/moL0
なんか、僕一人ではしゃいでちょっとバカみたいなんです
子供っぽかったかな、僕ももう大学生なんだし、もうちょっと大人にならなくちゃダメですね
豚丼は豚丼なんだし、きっと皆そう思っているはずだ
そう思いなおして、注文した豚丼が来るのを待った
:川 - ):(スペシャル豚丼っ……!私もそれにすればよかったっ……!)
( ><)「クーさん?どうかしたんですか?」
川;゚ -゚)「あ、いや……別に……」
( ><)「?」
川 ゚ -゚)(……今度来るときはそれ頼もう)
しばらくして、定員のお姉さんが運んできた豚丼を、テーブルの上に一つずつ並べてくれた
肉についた網状の焦げ目と、光るタレがなんとも食欲をそそる
ほわぁとした湯気が鼻腔を突いて、僕はごくりと喉を鳴らした
('、`*川「お待たせいたしました、こちらがスペシャル豚丼になりますー」
从;゚∀从「なっ……」
(;><)「こっ……これって……」
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:13:45.50 ID:/fqd/moL0
( ・∀・)「わーい」
しかし、そんな中運ばれてきたモララーさんの豚丼は、豚丼の周りにミニケーキが所狭しと並んでいた
イチゴのショートケーキにガトーショコラ、チーズスフレにタルトと、その周辺だけ甘い香りが漂っている
およそ豚丼には似つかわしくないケーキばっかりだ
メニュー表にも、アイスや餡蜜は載っているけど、ケーキなんてどこにも書いていないのに
(;><)「な、なんでケーキが……?」
( ・∀・)「そりゃあスペシャルだからさ」
( ゚∋゚)「おっちゃん本当は豚丼屋じゃなくてケーキ屋やりたかったんだよ!」
(;><)「おっちゃん! 志を貫いてください!」
从*゚∀从「お、おい!一個くれ!」
川*゚ -゚)「わ、わたしも……」
甘いケーキの出現に、たちまち女性陣が立ち上がった
二人とも甘いものが好きだから、当然といえば当然だ
( ・∀・)「仕方ないなあ」
モララーさんはすでにわかっていたように、お皿に乗っていたケーキを皆に分けていく
もしかしたら最初からそのつもりだったのかもしれない
- 72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:17:10.75 ID:/fqd/moL0
( <●><●>)「都会ってこういうことがあるんですね、素敵」
(;><)「お兄ちゃあん、目を覚まして!」
(;'A`)(車で酔ったから、肉食べたらなんか気持ち悪くなってきた……)
豚丼は油が乗っていて、こってりとしたタレに柔らかい豚肉がマッチし、すごく美味しかったけど
ケーキがそれ以上に美味しかった
なんだか複雑な気分なんです
( ・∀・)「で、これから何処行こうか?」
一通り食べ終わり、モララーさんが提案した
僕はこの辺に住んでいるといってもあまり知らないので、そういうのは知っている人に任せたい
ハインさんとかモララーさんなんかは詳しそうだけど、良さそうなところがあったら教えて欲しいんです
( ><)「この辺って、なんか有名な観光名所とかあったりするんです?」
( ・∀・)「んー、一応おみくじが良く当たるってことで有名な神社があるけど、行って見る?」
( ><)「神社……」
どうだろう、観光名所としては良くあるところかもしれないけど、お兄ちゃんはせっかく都会まで来て
神社にお参りとかしたいかな
僕だったら微妙だけど……
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:18:35.30 ID:/fqd/moL0
ちらっと表情を伺ってみると、お兄ちゃんは相変わらずのポーカーフェイスで、何を考えているのかわかりづらい
しかし、このままじっとしているわけにも行かず、僕はコクリと頷いた
( ><)「じゃあ、神社行ってみるんです」
神社でお参りをしてからでも、観光は十分できる
とりあえず、そこに行ってからまた行き先を決めるのもありだと思ったのだ
( ・∀・)「決まりだね、行こうか」
モララーさんが伝票を持ってレジに向かっていくのを見て、慌てて僕も立ち上がる
(;><)「あ、お金……!」
( ・∀・)「ああ、いいよ、今回は僕が奢ろう」
川;゚ -゚)「そういうわけには……」
( ・∀・)「年長者のプライドくらい見せてよ、クーさん」
( <●><●>)「私と君は同い年でしょう」
( ・∀・)「お前は今回ゲストだから」
从 ゚∀从「んじゃ、次はアタシが払うわ」
(;><)「あうあう……」
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:21:17.89 ID:/fqd/moL0
('A`)「ま、子供は甘えとけってこったな」
肩を叩かれ、子供じゃないと反論しようとしたけれど
皆からしたら僕はまだまだ子供なのかもしれない
( ><)「……あ、ありがとうございますなんです」
( ・∀・)「いいえ、どういたしまして」
('A`)「ゴチです」
( ・∀・)「あっ、ドクオは払えよ」
(;'A`)「なんでだよちくしょう!!」
( ・∀・)「僕のプライドが許せない」
(;'A`)「俺に奢ることがあんたのプライドを傷つけるとでも!?」
そんなことを言いつつも、結局モララーさんは全員分の食事代を支払ってくれた
やっぱりこういうさり気ないところが、イケメンなのかもしれない
実はさっきからお兄ちゃんとモララーさんを、ちらちらと好ましそうな目で見る女性が多いんです
僕は情けなさと嬉しさから、なんだか不思議な気持ちになりました
お兄ちゃんがモテるのは嬉しいけど、僕だってもっとかっこよくなりたいんです!
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:26:45.74 ID:/fqd/moL0
- *
店を出てから車で行くこと30分
おみくじが良く当たるというらしい神社につくと、僕達は散歩がてら参道を歩いて神社の方に向かった
階段の上には赤い社が立っていて、そこを目指して歩いていく
从'ー'从「私、ここ初めて来ます」
( ・∀・)「まぁ、正月でもないかぎり神社には来ないからねえ」
( <●><●>)「ビロード、参道の真ん中は神様の歩くところですから、こっちにいらっしゃい」
( ><)「はいなんです!」
川 ゚ -゚)「昔良く来たなあ、神社」
(;'A`)(なんかお腹いたい……)
そんなことを喋りながら歩いていると、結構簡単に神社へと着いてしまった
神社の近くに一人の巫女さんが立っているのが見える。魔女の宅急便のキキが乗るような箒で掃除している
赤い袴に白い襦袢に身を包むその人は、どこにでもいる巫女さんのようだが
僕にはその人に見覚えがあった
( ・∀・)「あ、可愛い子発見、若いよ」
从 ゚∀从「お前今喧嘩売ったのか」
- 87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:28:46.12 ID:/fqd/moL0
(*'A`)「み、巫女さん……」
川 ゚ -゚)「男の人はああいうの好きなのか?」
(;><)「……あれって……」
( <●><●>)「ビロード?」
腰まで伸びた黒い髪を下の方でまとめて縛り、鼻歌交じりに振り返ったその人は
僕の良く知る人物だった
lw´‐ _‐ノv「おや、ビロ坊じゃないか」
(;><)「シ、シュー先輩!?」
巫女服姿で立っていたのは、同じ大学のサークルの先輩、シュー先輩だ
彼女はいつも大学で着ているようなゴスロリではなく、もちろん前の時のように私服でもない
もしかしたら巫女さんのバイト中なのかも
( ><)「どうしてこんなところに?」
lw´‐ _‐ノv「家にいちゃ悪いってか!」
(;><)「い、家?」
lw´‐ _‐ノv「イエース、米神神社へようこそ」
- 92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:33:11.36 ID:/fqd/moL0
口角を上げて微笑むシュー先輩。
その姿を見て、僕は彼女の苗字を思い出した
シュー先輩の苗字って……確か米神……
( ><)「先輩の家って、神社だったんですね……」
lw´‐ _‐ノv「萌えた? 萌えた? ビロ坊はゴスロリより巫女萌え」
( ><)「何を言ってるんだかわかんないんです」
それにしても大学ではゴスロリ姿なのに、家では巫女服なんて、バリエーションが少ないというか
ある意味多いっていうか
( ・∀・)「ビロードの知り合いなの?」
( ><)「大学の先輩なんです」
( <●><●>)「変わった人ですね」
('A`)「か、可愛いですね」
从'ー'从「巫女服……」
川 ゚ -゚)「ほう」
lw´‐ _‐ノv「!」
アパートの面々が若手芸人みたいに顔を出してきたが
クーさんが顔を出した途端、シュー先輩がクーさんの方に近付いて行った
- 94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:36:08.34 ID:/fqd/moL0
( ><)「どうしたんですか先輩?」
川;゚ -゚)「あの、な、何か……?」
lw;´‐ _‐ノv「ね、姉さん……!」
(;><)「え!?」
川;゚ -゚)「えっ!?」
ね、姉さん!?クーさんがシュー先輩の!?
でも、そう言われればどことなく似ているような気がしなくもな……
lw´‐ _‐ノv「と、いうのは冗談なんだけど」
(;><)「冗談かよ!」
川;゚ -゚)(び、ビックリした……)
意味のない冗談は止めてください!
- 95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:39:22.74 ID:/fqd/moL0
シュー先輩はにまにまと笑ってクーさんに頭を下げていた
lw´‐ _‐ノv「いや、なんとなく、ゴメーンね」
川;゚ -゚)「い、いや、あまり気にしないでくれ……」
(;><)「まったくもう……」
人が苦手のクーさんは、ちょっとビク着きながら、ぎこちない笑みを見せていた
一対一で話すのは苦手なのかもしれない
lw´‐ _‐ノv「それにしてもビロ坊、君は……」
( ><)「はい?」
lw´‐ _‐ノv「中々変わった人たちに囲まれているようだね」
( ><)「?」
シューさんが、僕の後ろにいるアパートの面々を見て呟いた
確かに変わり者が多いけど、どうしてそんなことがわかるんだろう
僕はアパートの人たちをシュー先輩に話したことはないし、見た目だけならそんな変人とはいえない
むしろ、ゴスロリで登校するシュー先輩の方がよっぽど変人っぽいのに
- 99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:42:59.26 ID:/fqd/moL0
lw´‐ _‐ノv「私ほどになると、一発でその人の性質がわかったりするのよ」
( ><)「はぁ……」
類は友を呼ぶって奴だろうか
lw´‐ _‐ノv「皆、中々不思議な匂いを感じる、なんかよくわかんないけどね」
相変わらず不思議な人だ
僕はよくわからないままにそうですか、とだけ呟いた
( ・∀・)「…………」
( ><)「それも、いつもの勘ですか?」
lw´‐ _‐ノv「イエース!」
シューさんは意味ありげに笑うと、持っていた箒を近くに立てかけた
それから神社の方へと歩き出す
lw´‐ _‐ノv「まぁそんな話は置いといて、お参りに来たの? おみくじ? 案内するよん」
- 102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2009/07/30(木) 23:46:28.76 ID:/fqd/moL0
猫のように口元に笑みを湛えながら、シューさんが提案した
僕は一瞬詰まって、答えに瀕した
どうしよう、ありがたいけど、皆の意見も聞いた方がいいんですかね
( ><)「え、と……」
( ・∀・)「じゃあ、お願いしてもいいかな?」
lw´‐ _‐ノv「オッケーオッケー、ゆっくりしていってね!」
しかし、僕が悩む前にモララーさんが決めてしまった
他のメンバーも見回すと、皆特に不満も無いようで、ドクオさんに至ってはカメラをモララーさんに借りていた
まぁ、いいか……
僕達は米神神社を案内してもらうべく、シューさんの後ろに続いて歩き出した
第十一話、終わり
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