( ・∀・)っ】コールアウターのようです!
- 125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 21:26:06.06 ID:3Kdq4xcC0
〜オープニング代わりのキャラ紹介〜
(#゚;;-゚)「こんばんは。でぃです」
(#^;;-^)「もうすぐクリスマスですね。皆さん、誰と過ごされますか? 作者は大量の参考書に埋もれて過ごす予定です」
(#゚;;-゚)「では、本日はこの方です」
【実は語尾の“お”はキャラ付けです・ブーン】
(;^ω^)「その設定ここでバラしちゃうのかお……?」
(#゚;;-゚)「……そうなんですか?」
(;^ω^)「…………うん。まあ、そうだお」
- 126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 21:30:06.37 ID:3Kdq4xcC0
(#゚;;-゚)「どうして、そのようなことをなされているのですか?」
(;^ω^)「どうしてって……友達の為、かお?」
(#゚;;-゚)「友達の為、ですか?」
( ^ω^)「付き合いというか……そんな感じだお。別に深い意味はないんだお」
( ^ω^)「某嘘吐き物騙りでガセガセがフレンドリーになる為語尾に『〜〜ッス』と付けてるのと同じ感じだお」
(#゚;;-゚)「フレンドリー、ですか……」
(#゚;;-゚)「あの言いづらいんですけど、馬鹿みたいに見えますよ?」
( ω)「うん……。最近気づいた……」
(;#゚;;-゚)「(気づいたの最近なんだ……)」
- 127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 21:34:06.64 ID:3Kdq4xcC0
(#゚;;-゚)「――そう言えば、こうして改まって話すのは初めてですね」
( ^ω^)「あー……温泉辺りからナチュラルに馴染んでたけど、そうだおね」
(#^;;-^)「はじめまして。東郊でぃ、と申します」
( *^ω^)「おっお。ブーンだお」
( ^ω^)「……そう言えば、でぃちゃん、ちゃんと名前を名乗れるようになってるお」
(#゚;;-゚)「え?」
( ^ω^)「なまえ。……前までは、そうじゃなかったって聞いたお?」
(#゚;;-゚)「…………」
- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 21:38:33.59 ID:3Kdq4xcC0
( ^ω^)「“仮面ライダーは『仮面ライダー』と呼ばれるからこそ、仮面ライダー足り得る”」
(;#゚;;-゚)「……?」
( *^ω^)「今はもう仕事が――料理人になる為に忙しくてあんまりだけど、昔はアニメとか特撮とか好きだったんだおー、僕」
( ^ω^)「それでいつだったか、モララーがそんなことを言ってたお」
(;^ω^)「えーと……“しにふぃあん”とか、なんとか…………そんな感じの単語を持ち出して」
(#゚;;-゚)「…………」
(;^ω^)「それでクーが、シェークスピア? だったかの格言を持ち出して……うーん」
(;^ω^)「――ごめん、やっぱ思い出せないからこの話打ち切りで」
(;#゚;;-゚)「あっ、はい……」
- 129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 21:43:25.35 ID:3Kdq4xcC0
(#゚;;-゚)「――モララーさんとは、旧い知り合いなのですか?」
( *^ω^)「おっお。幼馴染ってやつだおー」
( ^ω^)「最近は……もう、アレだけど、昔はよく一緒に遊んでたおー」
(#^;;-^)「フレンドリーなブーンさんに、フレンドリーなモララーさん、ですね」
( ^ω^)「スピードワゴン的ポジションだったお」
(#゚;;-゚)「クールに去られますか」
(;^ω^)「このネタ伝わっちゃった!!」
(;^ω^)「(あの後輩君……。絶対教育方針間違えてるお……)」
(#゚;;-゚)「……?」
- 130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:04:56.44 ID:3Kdq4xcC0
(#^;;-^)「最後に一言、お願いします」
( ^ω^)「おっおっお」
( ^ω^)「――いつまで続くかは分からないけど、とりあえずあと二話で一期は終わりだおー」
( ^ω^)「そして、二期からも愉快・痛快・爽快な馬鹿話が続いていくお。よろしく頼むお」
(;^ω^)「さて……僕の出番は増えるのか……」
(#^;;-^)「ブーンさん、ありがとうございました」
( *^ω^)「おー。お安い御用だおー。でぃちゃんみたいな可愛い子の為なら」
(#゚;;-゚)っ「あっ、ツンさん」
(^ω^;)「マジで!? どこ!? どこだお!!?」
(*^;;-^)「……では本編スタート、です。(嘘、吐いちゃった……)」
- 131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:07:32.55 ID:3Kdq4xcC0
10‐Call Transfer your call
(゚ー゚*トソン「手に取るなやはり野に置け蓮華草。山に花で里に人なら、兄の隣に妹です!!」
……すたーとっ
- 132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:10:21.57 ID:3Kdq4xcC0
【――某日・早朝、雨霧荘11号室】
( うД^)「ふぁ〜……あ?」
――ある日……というか、俺の大人気なさの所為で起こったちょっとした出来事の翌日。
早朝。朝っぱら。朝八時過ぎ。
ベッドの上。
身体を起こして、目を開けたら、
川 ゚ -゚)「おはよう、後輩」
(-、-トソン「おはようございます」
真横、テーブル。
二人のタイプの違うスゲェ美人が、飯食ってた。
- 134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:16:53.88 ID:3Kdq4xcC0
(;^Д^)「………………は?」
ズズズ…
川*-ー-)「……ふう。相変わらずトソンさんの吸物は素晴らしいな。五臓六腑に染み渡る……」
(-、-*トソン「そんな●の素のCMみたいな台詞を……もー、クーさんは……」
( ^Д^)「…………」
あ……ありのまま、
今、この場で起こってる事を話すぜ!
『知り合いの女性が朝っぱらから俺の部屋に忍び込んで飯食ってる。しかも、それがスゲェ美味そう』
な……、何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も何が何だか分からない……
( ^Д^)「AA略……っと」
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:20:06.97 ID:3Kdq4xcC0
川*-ー-)「まったく、最高だな……私と結婚しないか?」
可愛い、ではなく明らかに綺麗な。思わず息を呑む美貌。
普段は発言の馬鹿馬鹿しさ・痛々しさが目立ち過ぎて気づかないものの、動きの一つ一つに惹きつけられる。
手触りの良さそうな長髪と完璧と自負するスタイル、そして時折見せる優しく儚げな笑みを……俺は、形容する言葉を持たない。
艶やかなのに奥床しい、矛盾した魅力を持つ彼女。
一つ上の先輩、クー先輩。
(-、-*トソン「申し出は嬉しいですけど……重婚になってしまいますよ」
先輩とは正反対。頬が綻ぶような、ふんわりとした可愛らしさ。
形の良い唇にやや鋭めな目元。なのに柔らかで和やかな印象を持たせるのは、その天然の優しさが所作に滲んでいる所為だろう。
締まった四肢にちらほらと見える包帯。特にその白い首筋は……たとえは悪いが、絞め殺してしまいたくなるほど官能的。
この人が、内に恋人の肋骨を三本持っていくという苛烈さを秘めているとは信じがたいけど、でも、それも魅力のうちかな。
同学年のトソさん。
( ^Д^)「なんつーか……」
( -Д-)「…………ご馳走様です」
- 136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:25:25.51 ID:3Kdq4xcC0
(;^Д^)「こんな美人が彼女と幼馴染とか……モラ先輩、超勝ち組じゃねぇか」
そういう美人が部屋にいる。
思わず拝んでしまうほどの美人が、二人。
俺の部屋に。
俺の部屋に。
俺の部屋に――!
川 ゚ -゚)「おい後輩。挨拶はどうした?」
川 ゚ー゚)「まさか、お前の文化圏では、美人には挨拶しないことになっているんじゃあるまいな?」
(;^Д^)っ「ああ、すいません。おはようございま――――って、なん・でや・ねんッ!!」
(゚、゚*トソン「ナイス・ノリツッコミ!」
(;^Д^)「俺はお笑い民国出身じゃねぇからそんな褒め方されても全然嬉しくねぇ!!」
- 137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:29:18.07 ID:3Kdq4xcC0
(;^Д^)「もう色々言いたいことはあるんですけど――とりあえずトソさん!」
(-、-トソン「おはようございます。すみません、朝早くから。お邪魔しています」
(;^Д^)「これはご丁寧に。どうぞごゆっくり――じゃなかった! アンタ、人を和ませることに関しては無自覚なのに天才的だな!!」
川 ゚ -゚)「高校時代はクラスメイトから『ゆるキャラトソンちゃん』と呼ばれていたぞ」
(;^Д^)「それイジメられてたんじゃないんスか!?」
(、 トソン「別に私、ゆるくなんかないですよぉ……もぉ……」
(;^Д^)「その拗ねた顔背ける仕草と喋り方が『ゆるい』っつってんですよ!」
(;*^Д^)「ああもうっ! うっかり惚れてしまいそうだ!! 羨ましいなぁモラ先輩はっ!!」
- 138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:32:09.09 ID:3Kdq4xcC0
( ^Д^)「――そう、モラ先輩ですよ」
(;^Д^)「……トソさん、ちゃんと伝えてきましたよね?」
(゚、゚トソン「え? 言ってませんけど」
(;^Д^)「可愛らしく小首傾げてんじゃねぇよ!! 俺今あなたの軽率な行動と先輩の独占欲による命の危機ですからね! 分かってます!?」
(;^Д^)「俺、確実に殴られますっ!下手すりゃ勘違いで入院です!! 知ってると思いますがあの人元超高校級のボクサーですよ!?」
川 ゚ -゚)「知ってるぞ。素手で車のフレーム凹ませるからな、アイツ」
(;^Д^)「先輩の腕はリアルに徹甲弾かなんかですか! それならきっと声当てるのは小野Dですねぇ、まったくっ!!」
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:36:11.32 ID:3Kdq4xcC0
(; Д)「ああっ、絶望の鎌持ったシスコン魔王が一人眼前に立ってるような気分……」
(-、-*トソン「あっ……。この一連の会話で、彼の告白の言葉を思い出しました……」
( ^Д^)「え?」
( -∀・)っ『――お前が、欲しい』
(゚、゚;トソンΣ『へっ、ヘンタイだーーーッ!!』
(-、-*トソン「――とっても、似合ってました」
(;^Д^)「まず魔王のコスプレした告白とかふざけてるしその言葉は不適当過ぎるしネタは今の子に確実に伝わらないだろうし何よりアンタ告白断っちゃってんじゃねぇか!!」
川*-ー-)「ふっ……。魔王は魔王でも、アイツは神を汚す闇の魔導師だったというわけだな……」
(;^Д^)「俺は始めてやったゲームが『魔●物語』だから分かるけど現在純粋に落ち物パズルで楽しむファンには何のことだか絶対分からない!!」
- 140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 22:40:09.40 ID:3Kdq4xcC0
(゚、゚トソン「――でも……大丈夫ですよ。今日は」
(;^Д^)「大丈夫じゃないっスよ!! きっと、あの人俺がトソさん連れ込んだと思って怒り狂っ……え、“今日は”?」
(-、-*トソン「今日一日は、大丈夫です」
(;^Д^)「……トソさん。あのー……今モラ先輩って、何してるんですか?」
(゚、゚トソン「眠っていますよ?」
( ^Д^)「“眠らされた”わけじゃあないですよね?」
(゚、゚トソン「えっと……」
(-、-トソン「…………」
(゚о゚トソンΣ「……!」
(;^Д^)「…………?」
- 142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:01:23.73 ID:3Kdq4xcC0
(-、-*トソン「――ねんねしています」
(;^Д^)「可愛く言っても誤魔化されませんよ!! アンタ、一体何したんだ!?」
(゚ー゚*トソン「歯の神経はですねー、」
(;^Д^)「いっ、いやっいいですいいです言わなくていい!! アンタのバット携えたナイスバディの僕っ娘天使かなんかみたいな拷問の中身は言わなくていい!!」
(-、-*トソン「抱いて抱かれて閉じ込めて……な、ボクの愛です」
(;*^Д^)「っ!? ああ、うっかり全部許してしまいそうですよ可愛いなぁまったく!!」
川 -ー-)「マゾくて治癒力高いアイツなら大丈夫だろう。気にするな」モグモグ
(;^Д^)「アンタはもうちょい気にしろ!!」
- 143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:05:21.97 ID:3Kdq4xcC0
【――朝食後】
川 ゚ -゚)「――まあ、私も悪いとは思っているんだ」
川*゚ -゚)「お前が美少女と仲睦まじく添い寝している所に忍び込んだわけだから……な?」
(゚、゚トソン「説明を求めます!」
( ^Д^)「え?」
( ^Д^)「…………」←状況確認する来年二十歳になる後輩。
li イ* -ノl|「んんっ……にゃ……」←そのすぐ右側で甘えたように寝ている妹。
( ^Д^)「…………」
(; Д)「この状況のこと、忘れてた……」
- 144 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:09:21.07 ID:3Kdq4xcC0
川*゚ー゚)「なぁ後輩。何が・どういうわけで妹と一緒に寝ちゃっているわけだ? なぁ?」
(;^Д^)「いやっ、これは……」
(゚、゚*トソン「違わないですよね? 違わないですよね?」
(; Д)「……違いません今日は承諾して一緒に寝てました…………」
川*゚ -゚)「……へーんたい」ボソッ
(゚、゚*トソン「しーすこんっ、へーんたいっ」
(; Д)「うぐぅ……」
川*゚ー゚)「へーんたいっ、しーすこんっ、へーんたいっ……」
( うД)「オウチ、カエリタイ……」
- 145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:14:21.32 ID:3Kdq4xcC0
( Д)「……そうですよ」
(#^Д^)「――ええそうですよ! 一緒に寝てましたよ何か問題ありますか!?」
川;゚ -゚)「ぎゃ、逆ギレ……」
(#^Д^)「昨日俺が謝った後に雪吹ちゃんが上目遣いで、」
li イ* -ノl|『じゃあお兄ちゃん……今日だけでいいから、雪吹と一緒に寝て?』
(;^Д^)『いや、お前もう中学生……』
li イ* -ノl|『お願い……。雪吹が寝るまで……傍にいて』
(#^Д^)「とかなんとかねだってくるもんだから断り切れずに寝かしつけるまで添い寝してやろうと思ったらそのまま朝まで寝ちゃってましたよ!!」
(゚、゚;トソン「本当に妹には甘いですね……」
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:19:21.54 ID:3Kdq4xcC0
(#^Д^)「昔から雪吹ちゃんは怖がりで甘えたがりで、ヤな夢見た時とかは泣きながら俺等のトコに来てたんですよ!」
(# Д)「冰刃ちゃんもしっかりしてるようで――しっかりし過ぎてるから、もういっつも無理ばっかで。たまには優しくしてやらないと駄目なんです!」
(#^Д^)「二人共お兄ちゃんっ子で、もう、こんだけ年離れてるとなんか子供みたいですよね。ねぇ!?」
(゚、゚;トソン「そうです……か?」
川;゚ -゚)「あ、ああ……。そう……かな?」
(#^Д^)「それでですねぇ、昔から、雪吹ちゃんは――」
川; -)「…なんでこんなにテンション上がっちゃってるんだ、コイツ。ちょっと怖いぞ……」ボソボソ
(゚、゚;トソン「…さ、さぁ? 私には兄弟いないのでなんとも……」ブツブツ
川;゚ -゚)「…冗談で言ってたんだが……どうやら本物のシスコンらしいな」ボソボソ
(-、-;トソン「…妹ちゃんの方にしても、『お兄ちゃんのことなんか好きで好きで仕方ないんだからねっ!!』って感じです……」ブツブツ
- 147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:23:00.37 ID:3Kdq4xcC0
【――兄による十数分間の妹トークショーが終わった後】
( ^Д^)「――この状況から見るに、お二人を招き入れたのは冰刃ですね」
(゚、゚;トソン「(あ、“ちゃん付け”じゃなくなってます)」
川 ゚ -゚)「(やや冷静になった……のか?)」
( ^Д^)「巫山戯たアイツのことですから、二つ返事で入れちゃったんでしょ……まったく」
(゚、゚トソン「ええ。私達が着いた時にちょうどランニングから帰ってきたところで」
( ^Д^)「……いっつもはもっと早い時間からルーチン始めるんですけどねー……。学校が休みだから、気ィ弛んでんのかな……」
- 148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:26:14.57 ID:3Kdq4xcC0
川 ゚ -゚)「今日だけじゃなく毎朝走ってるのか。なんだ、それなら私と同じじゃないか」
(;^Д^)「はぁ、クー先輩もですか。その体型を維持する為にはそういう努力も必要なんですね……」
川 ゚ -゚)「いや、それは単なる鍛錬の一環だ」
(;^Д^)「アンタホントに何目指してんスか……前の扉の一件といい」
川 ゚ -゚)「むぅ……。高校時代はSOS団団長程度の万能加減を目指してたんだが……それは超えてしまったし、」
(;^Д^)「超えちゃったの!?」
川 ゚ -゚)「私の方が凄い。胸もデカい」
:(、トソン:「ううぅぅぅ……」
(;^Д^)「泣かないで!! 俺がモラ先輩に怒られるからっ!!」
- 149 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:29:52.63 ID:3Kdq4xcC0
川 -ー-)「だから――とりあえず今の目標は……シュウ・シ●カワ博士、かな」
(;^Д^)「確かに気障で慇懃無礼で万能で容姿端麗でお家が凄くて面倒なのも共通してるけど、あの人の凄さはバンプレストファンにしか伝わらないし何より基本敵じゃねぇか!!」
(゚、゚*トソン「じゃあ私がチ●ちゃんですね!」
(;^Д^)「嬉しそうに乗っからないで下さい! アンタ、自分の位置づけあんなペンギンもどきの守銭奴マスコットでいいのか!?」
(、*トソン「するとモララーがマ●キで…………うふふふ」
(;^Д^)「笑い方黒ッ!?明らか薔薇薔薇な妄想してるだろアンタ!! 大体、モラ先輩は地球を十周二十週しなきゃ目的地に辿り着けない方向音痴じゃありません!」
川*-ー-)「……ふん。嘘だよ。私の目標は、昔からずっと変わらず先輩だ」
(;^Д^)「先輩……?」
- 151 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:32:22.15 ID:3Kdq4xcC0
川 -ー-)「――だが、身体を鍛えるのは良いことなんだぞ」
(゚ー゚*トソン「ええっ。戦いの基本は格闘です!!」
(;^Д^)「普通に生きてたら“戦い”も“格闘”もする機会ない! その台詞リアルで聞くことになるとは思わなかったですよ!!」
川*゚ー゚)「戦いでは、私は常に強い者の味方だ!!」
(;^Д^)「中の人繋がりのその台詞は汎用性高いけど決して使いたい類のものじゃない!!」
川 ゚ -゚)「――しかしな、後輩」
川 ゚ -゚)「お前の妹が外でやってる“アレ”……明らかに芸能じゃなく古武術じゃないか」
( ^Д^)「あ、ああ……そうっスね」
( ^Д^)「先輩の境遇が色々――地下世界の王族みたくあるように、うちの家にも色々あるんです」
- 152 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/04(土) 23:37:05.24 ID:3Kdq4xcC0
【――その頃・屋外】
一秒を何倍にも引き伸ばした――弾指の間。
その、“刹那”と言っても差支えない一時に氷のような刃が舞う。
滑るような足捌きが加速して、少女の身体が半回転した。
音もなく――静かに。燃え滾る氷雨のような連戟が降り注ぐ。
時が凍り付いたような静寂。
光が反射し、刀身が分裂したかのような錯覚に陥る。
八相の構えから振るわれる冷たく冴えた剣が、見えない敵を切り伏せていく。
(# ;;-)「……ぁ」
……怖い。
でも、それ以上に――綺麗だ。
- 153 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:00:09.01 ID:NhTyLCDy0
その時。
唐突に動きは止まって――、
(ノリ;^ -^ノリゝ「――疲れたっ!!」
(#゚;;-゚)「……お疲れ様、でした」
彼女の日課は終了し、
――冰のように澄んだ刃は、ただの少女へと戻った。
- 155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:03:33.26 ID:NhTyLCDy0
【――視点は戻り、】
(゚、゚トソン「少し見ただけでしたけど、アレって一体なんだったんですか?」
( ^Д^)「うちの家の家宝ですよ」
( ^Д^)「かつての神前の護衛術で、今の伝統芸能――です」
(-、-トソン「はぁ……。そういうものですか」
(゚、゚*トソン「あの……なんて言うか、ラノベみたいで素敵でした」
川 ゚ -゚)「裏十三家みたいな?」
(゚ー゚*トソン「斬島みたいな!!」
(;^Д^)「はは。そりゃ剣士には侮辱になっちゃいますよ、っと……」
( ^Д^)「化物みたいに強いというか、“化物を殺すほどに強い”のがうちの家ですし」
- 157 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:09:07.31 ID:NhTyLCDy0
(-、-*トソン「あの……私で良かったら……」オズオズ
川;゚ -゚)「マジでか!」
ゴロン…
(、*トソン「――っと。……やっぱり、ちょっと恥ずかしいですね……」
川* ー)っ「……モララーに怒られてしまうな……こんな妹プレイ」ナデナデ
(ー *トソン「んっ……。クーさんのお膝、気持ち良いです……」
川*゚ -゚)「こら、くすぐったいぞ……」
( ^Д^)「…………」
(;^Д^)「(――ドクオ先輩ぃぃぃいい!! シャッターチャンスですよぉぉおおおおおお!!!)」
(;*^Д^)「(はやく、写真!!お願いだから写真を!! 俺の妹の巫女姿撮ったのはもう怒らないからぁぁぁああ!!)」
- 158 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:12:18.05 ID:NhTyLCDy0
【――妹プレイは中断し、】
川* -)「ふぅ……。うっかりポゼッションするところだった……危ない危ない」
川*゚ -゚)「私は魔装●神乗りだから助かったが……これがエヴァならL.C.Lに溶けているところだったぜ!」
川*-ー-)「カヲル君的にイっちゃってるキャラになるところだった。イっちゃうところだった……」
(; Д)「あー……」
川 ゚ -゚)「どうした後輩? 変態発言だぞ。突っ込んでくれないのか?」
(; Д)「いや……ああ、うん……」
- 159 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:15:49.53 ID:NhTyLCDy0
(-、-*トソン「結婚したら……毎日できますね」
(;^Д^)「一応ツッコミますけどトソさんが結婚するのはモラ先輩なのであんまりクー先輩とばっかイチャイチャしちゃ駄目ですよ!!」
(;^Д^)「別に二人は十月の巫女さんじゃないですし……その展開だとモラ先輩が悲し過ぎる」
川 ゚ー゚)「そうか? 喜ぶと思うが」
(;^Д^)「喜ぶでしょうねぇ、まったく!!」
川 ゚ -゚)「――まあ、『類似の法則』というわけだよ」
川*-ー-)「妹が欲しい私と、姉が欲しいトソンさんは惹かれ合うんだ……」
(-、-*トソン「ええ……」
(;^Д^)「美しくまとめようとしてるのかもしれませんが、傍からは単なる百合ルートにしか見えません!!」
- 160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:19:20.48 ID:NhTyLCDy0
川 ゚ -゚)「――だが、その法則はお前とモララーにだって適応されるぞ」
川 ゚ -゚)「優柔不断なお前と、強かで悪どいアイツ」
川 ゚ -゚)「お前達は似ていない。少しも似ていない――だからこその『対偶』で、同時に存在し得て、引かれ合う」
( ^Д^)「まるでニュータイプですね」
川 -ー-)「……ふん。『E●AM』じゃないといいがな」
( ^Д^)「伝わりにくいネタだ」
(゚、゚トソン「?」
( ^Д^)「……はは。ほら、伝わってねぇ」
川 ゚ー゚)「今度うちに来た時にはセガでも一緒にやろうか。な?」
(゚、゚トソン「……? はい……」
- 161 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:22:39.69 ID:NhTyLCDy0
(゚、゚トソン「――“ニュータイプ”」
(-、-トソン「むぅ――“Birds of a feather flock together, And so will pigs and swine”」
(;^Д^)「!!」
川 ゚ -゚)「どうした後輩?」
(;^Д^)「その歌……」
(゚、゚トソン「マザーグースがどうかしましたか?」
(;^Д^)「いや……なんでもないです」
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:26:04.60 ID:NhTyLCDy0
(゚ー゚トソン「でも、いい歌ですよね、これ」
( ^Д^)「いい歌……なんですか?」
(゚、゚トソン「いい歌ですよー?」
(-、-*トソン「似た者同士が惹かれ合い、曳かれ合い――牽かれ合う……わけです。運命みたいでロマンチック、です……」
川 ゚ー゚)「素敵な足の引っ張り合いだな。ほだし合い、といも言えるかもしれない」
川*゚ -゚)「思えばグラン●ンにもそういう類のものが積まれていたな」
( ^Д^)「『特異点』……でしたっけ? “超低確率事項を引き起こすありえない性質”って、まぁ……」
川*゚ー゚)「縮退砲、発射!!」
( ^Д^)「あはは。……しかし、この場合は“神に因らぬ偶然の集合”の、『シンクロニシティ』でしょう?」
( ^Д^)「(“因”があって“縁”があって、初めてそこに“果”と“報”ができる……。……『共業(ぐうごう)』か)」
( ^Д^)「(……縁がないのに縁があるっていうのもおかしいが)」
- 164 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 00:29:14.38 ID:NhTyLCDy0
川 ゚ -゚)「だから、こうして私がここにいるのも、お前と出逢ったのも、何か意味がある」
( ^Д^)「……あるんですか?」
川*-ー-)「あると思えよ。――そうじゃなきゃ、悲しいじゃないか」
川 ゚ー゚)「愚か者の選択だとしても、な?」
(゚ー゚*トソン「同じ鼓動を目印にして引かれ合ったんです! 一緒にいて初めてカタチが分かるんです!」
( ^Д^)「……あはは。『人はみんな鏡』だとしても、流石にあんな過酷なカルマは背負いたくないですよっと」
(゚、゚;トソン「――あっ、そういえば」
(-、-;トソン「今日の用件を忘れていました……すっかり……」
( ^Д^)「え? ああ……そういやまだ訊いてなかったですね。用件」
- 168 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 01:00:55.10 ID:NhTyLCDy0
( ^Д^)「で? こんな朝から何の御用で?」
(;^Д^)「俺、デレさんの誤解を解きに行きたいので今日はちょっと忙しいんですけど……」
川 -ー-)「ああ。ならちょうど良かった。私も用があったのでな」
( ^Д^)「……え、デレさんにですか?」
川 ゚ -゚)「その“デレさん”個人というか、このアパートの住人に、だな」
川 ゚ -゚)「――――私、明日からここに住むぞ」
(^ー^*トソン「つまり、今日はお引越しです♪」
(;^Д^)「………………は?」
――後半へ続く?
- 170 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 01:07:43.43 ID:NhTyLCDy0
【『類似の法則』】
( -∀-)「――クーは尤もらしく言っているが普通にゲームに出てくる用語だ」
( ・∀・)「類似の物や繋がりがあった物は共感するという法則」
( ^Д^)「まぁでも、神道の概念にもありますよ」
( ^Д^)「負の感情を持つ人間には鬼に憑かれ易い。道祖神が置かれているのは、そういったものを集落の中に入れない為なんです」
( ・∀・)「刀は斬るものではなく区切るもの、ってか?」
(;^Д^)「ああ……まぁ、そうですかね……」
( ^Д^)「でも実際“魔装機神”が分かる人ってどれくらいいるんですかね?」
( ・∀・)「さぁ? 魔導物語よりはメジャーだと思うけどな」
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 01:10:41.71 ID:NhTyLCDy0
【『対偶』】
( ><)「これは単なる数学用語。ツンさん、覚えてますか?」
ξ;゚听)ξ「ええっと……原命題が正しい場合は真逆の対偶も同じで正しい、んだっけ?」
( ><)「よくできました。『換質換位』とも呼ばれて論理学でも使われます」
(゚、゚*トソン「アムロとシャアですね!」
(;^Д^)「え、そう……か?」
( ・∀・)「たとえ敵でも、自分の理解者を殺すことなんてできないんだよ」
(;^Д^)「話題っつーかそれは世界と元号が違ェ!!」
- 173 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 01:14:29.10 ID:NhTyLCDy0
【『特異点』】
( ^Д^)「またゲームっスか」
川 ゚ -゚)「スパロボファンには御馴染み、グランゾンに積まれているブラックホールエンジンにある性質のことだ。元は物理学の用語だな」
lw´‐ _‐ノv「事象の地平面の向こう側……。位相がズレている場所のこと……」
lw´‐ _‐ノv「説明するのがとんでもなく大変だから、知りたかったら頑張ってニュートン読み込んで」
lw´‐ _‐ノv「ん? サイエンスだったかな……?」
(゚、゚;トソンΣ ハッ…
(゚、゚;トソン「ラッキーマン……っ!」
(;^Д^)「スゲェ分かりやすいたとえだけどやっぱり分かりづれぇ!!」
- 174 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/12/05(日) 01:18:24.55 ID:NhTyLCDy0
【『シンクロニシティ』】
( ・∀・)「意味ある偶然の一致。共時性。分析心理学の用語だ」
( ・∀・)「類似・近接する事象の関連性……非因果的連関の原理、だったか」
( -∀-)「プギャーの言う“神に因らぬ偶然の集合”は、おそらく因果や予定説に対応させているんだろうな」
川*-ー-)「私は好きだなー……こういうのは。夢があるからな。大事なことは、この先に描ける」
(゚、゚*トソン「私達は意味があってここにいるんですよ!!」
( ・∀・)「自分じゃない誰かの為なら何かを変えられる、ってか……?」
( ^Д^)「あはは。ここは何処の桜乃杜町ですか。いい歌ですけど」
( ^Д^)「……だといいですね。ほんとーに」
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