( ・∀・)っ】コールアウターのようです!

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:15:35.75 ID:SF2Xx8qO0


【オープニング代わりの「会話文だけでシチュエーションを想像し興奮したら負けゲーム」】



(#^;;-^)「GWも終わってしまいましたね。こんばんは、でぃです」

( ^ω^)「見せてもらおうか、新しいガンダムの性能とやらを……!! ブーンだお」

(゚ー゚*トソン「トゥットゥルー♪ トソンですっ!」             ざわ…

ξ--)ξ「私の知恵の泉が囁いている……。ツンよ」     ざわ…

( -∀・)+「モララーだ。派手に行くぜっ!」                    ざわ…

川*゚ー゚)「私の氷はちょっぴりコールド、あなたの悪事も完全ホーr(,,^Д^)「かっとビングだぜ、俺〜っ!!」(゚- ゚;川「あっ先輩何被せて……」

lw´‐ _‐ノv「エンディングは、見えた。……シュールだよ」ミ,,-Д-彡「――と、フサだぜ。さあって、今日もいっちょ稼ぎますか!」

( ><)「僕達学園のサポーター、スケット団です。ビロードです。皆様こんばんは」

('A`)「帰っておっぱいでも吸っtリパ -゚ノゝ「…………震えよ。恐れと共に跪け」(;#>;;-<)「ルールはいいですかいいですよねスタートですっ!!」

6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:18:42.38 ID:SF2Xx8qO0


【ゲームスタート】


ξ///)ξ「ちょっと……。バカっ、止めなさいよ……」

( *^ω^)「お? 昔はよく見せ合いっこしてたじゃないかお?」

ξ///)ξ「……っ! 今と昔じゃ違うに決まってるじゃない……っ!!」

( ^ω^)「そんなこと言って、」


( ^ω^)「――ツン、『本当は見せたくてたまらない』って顔してるお?」


ξ;//-/)ξ「そっ、そんなこと……」

( ^ω^)「……おっお。そういうところは今も昔も変わらないお」

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:22:12.16 ID:SF2Xx8qO0

 僕が近づくとツンは顔を背けこそしたが、それ以上抵抗はしなかった。

 ふわっ、と髪から良い匂いが香る。
 しばらく会わないうちにシャンプーを変えたらしい。


( ^ω^)「ほら、もっと開かないと見えないお……?」

ξ///)ξ「う、うぅ……っ」


 お母さん譲りだという綺麗な金色の髪は丁寧に巻かれている。
 緩やかなウェーブを描くそれは、室外から僅かに注ぎ込んでくる日の光にさらされ、キラキラと淑やかに輝いていた。

 「お人形みたいな女の子」っていうのはきっとツンのことを言うんだろうな。

 勝ち気な雰囲気がなくなった彼女を間近で見ていると、いつもそんな風に心を揺さ振られ――切なくなる。
 胸がきゅっと締め付けられるような。
 今ならば少女マンガのヒロインの気持ちだって完璧に理解できる。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:26:34.32 ID:SF2Xx8qO0

 こんなに可愛いんだからもっとお淑やかにしていれば良いのにと、思う反面、もしそうだったら僕なんか見向きもしてくれなかっただろう、とも思う。
 ……そう考えて幸運と優越感を感じる僕は卑しい人間なのだろうか?

 ううん、いや。
 多分、そうじゃないんだ。


( ^ω^)「…………」

ξ///)ξ「……恥ずかしいよぉ……。ブーン……」


 この胸の高鳴りをただの純粋な恋によるものだとして良いのなら。

 両目に涙を溜め、唇を噛み締めるその姿。赤く染まった白い頬。きめ細やかな肌、柔らかそうな太腿。
 手入れされた指先。幼馴染の前だからってどう考えても油断してる服装、少し大きめのシャツや見えそうで見えない乏しい胸。

 その全てが大好きだけど……何よりも僕は彼女の性格が好きになったんだ。
 彼女がこうじゃなかったら「可愛い人だな」とは思っただろうけど、恋には落ちなかったはず。


 だから僕は、ツンの大事な“それ”を――――。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:30:13.73 ID:SF2Xx8qO0

( *^ω^)「おっおー! 凄いお、凄いおツン! 通知表なんて久々に見たけど……僕より全然良いお!!」

ξ*^竸)ξ「へっへー。凄いでしょー! これでも高校の終わりの頃はちゃんと勉強してたんだからねっ!当たり前でしょ!?」


【今回のシチュエーションは――『ツンとブーンが高校時代の成績表を見ている』でした】


ξ///)ξ「わっ、わたしが……えっと、その……言わせないでよ! 馬鹿っ!!」

( *^ω^)「やらしいことを考えた人は貧乳派か巨乳派かを、テント張っちゃった人はセーラー派かブレザー派かを、抜いてしまった人は旧スク派か新スク派かを書き込んで欲しいお!」


(;^Д^)「旧スク・新スクが分かる人って――ってかなんで俺だけ『後ろで“ざわ… ざわ…”と言う役』なんですか!? ドクオ先輩でいいでしょこういうのは!!」

(;'A`)「いや、くじだし……。でもその前にお前最近俺に冷たくないか……?」

ζ(゚ー゚*ζ「そう? 前からそんな感じでしょう?」←くじ作った人。

(*-∀-)「……フン。何故、俺の台詞がなかったのかを説明して貰おうか―――(・∀・ )「テメーがまだ出て来てねーからだよ」

(;^Д^)「だからその人誰!? モラ先輩の知r(;#゚;;-゚)「本編スタートです! (プギャーさん、ごめんなさい……)」

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:33:26.96 ID:SF2Xx8qO0


13‐Call Line is busy

(-_-)「嘘を吐くのも時には必要だけど、嘘に憑かれないようにしないとね」




……すたーとっ



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:36:17.84 ID:SF2Xx8qO0


  「この小説はフィクションであり、実在の事件・人物・団体には一切関係ありません」という文句ほど傲慢なものはないと私は思っている。
  結構、常々、思っている。

  権利や義務が氾濫する世の中なので仕方ないところもあるのだろうが、
  実際のところ、現実(ノンフィクション)に“一切関係ない”虚構(フィクション)はありえない。

  ありえないことなんてありえないんだけど、やっぱりありえない。


  何故かと言えば、あとがきにおいて先の常套句と並んで使われることの多い「これは○○先生の作品の影響を受けた小説です」がおかしいのと同じ理由、理屈。
  その作者さんにとって、特別に影響を受けたのはその作品だろうが、“影響を受けた”だけなら作者さんの今まで読んできたもの全て――ひいては人生そのものも含まれるはずだ。


  その人がいて、その人の周囲があり、その人の人生があって――その人の『小説』がある。


  作者を構成する概念全ての最も良い部分の凝縮。
  言ってしまえば、読者(わたしたち)はその人の残滓を見ているに過ぎない。



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:39:37.28 ID:SF2Xx8qO0

  私はそう思っているので、先述した「一切関係ありません」という文言が納得できない。
  一切関係ありませんどころか、一切合財関係している。

  私の彼に言うところの「女の子を振り向かせる為の言葉をネタ被りを気にせず言えたのはアダムだけ」ということ。
  この世界は非局所性で、
  誰の人生も誰の作品も局所性ではない。


  まあ。
  この話にしたって、きっと二番煎じでしかないのだけれど――。
                                』



(;-_-)「…………トソンちゃんさ」

(゚ー゚*トソン「はい!」

(;-_-)「どういう風に言えば伝わるのか分からないけど、でも伝えるのが仕事の人間だから言うね」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:42:22.80 ID:SF2Xx8qO0

(;-_-)「君の文章は――物凄く面倒くさい」


(゚、゚;トソン「え……」

(;-_-)「協力してくれたのはありがたいんだけど……うん」

ζ(-、-*ζ「…………」

( ^Д^)「(西尾さんみたいな文章書くんだな、トソさんって……)」




(う、;トソン「め、めんどう……っ」ジワッ

(;-_-)「いやでも個人的には凄く好きだよ!? 良い感じの書き出しだと思うよ!」

(、 トソン「でも、面倒なんでしょう……?」

(;-_-)「…………うん」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:45:44.34 ID:SF2Xx8qO0

(う、;トソン「う、うぅぅぅ……っ!!」

ζ(-、-*ζ「……トソンさん」

ζ(-、-*ζ「もうあなたも大人の女性でしょう? だったら多少厳しいことを言われたぐらいで、すぐ泣くのは良くないと思う」


ζ(^ー^*ζ「それとも――あなたはいつまで経っても、ずぅぅぅぅっと周りに甘えた……子供でいるつもり?」


(う、トソン「…………っ。が・ま・ん……」ゴシゴシ

ζ(^ー^*ζ「良い子ね」

( *^Д^)「(カッワイーッ!! 惚れちゃいそーだぜ、トソンさん!!)」




(  ∀)「…………只今戻りました」

(-_-;)「(――殺気!)」

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:48:46.85 ID:SF2Xx8qO0

(;^Д^)「あの、モラ先輩……トソさんが泣いてるのはですね、えっと……」

( ・∀・)「大体分かってる」


( -∀-)「……オッケー、任せろ。物理的に叩き潰そう――プギャーは」


(;^Д^)「なんで俺!? 全然分かってねぇじゃないスか!!」

( ・∀・)「じゃあヒッキーでいいや」

(;-_-)「“でいいや”!? 君、先輩を呼び捨てにしてなおかつ“でいいや”って言ったよね!!?」

( -∀-)「…………誰でもいいや?」

(;^Д^)「そこを疑問系にしないでください!!」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:51:16.87 ID:SF2Xx8qO0

( ・∀・)「――そうか、どっちも殴ればいいのか」

(;-_-)「わあ名案みたいな顔して何言ってるの君!? 何なのその凄く乱暴な結論は!!」

( ・∀・)「グー? チョキ? パー?」

(;^Д^)「チョキ危ない!! それ最早“殴る”じゃないスから!!」



 ――ああ、まったく。

 七月も半ば。
 暑さで頭がやられそうだ。


(; Д)「…………やれやれ」


 それでも頑張って思い出してみよう。
 ええっと、どうしてこんなことになってるんだっけ――?



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:54:24.38 ID:SF2Xx8qO0




( -∀-)「嘘に憑かれるのは簡単だが嘘を吐くのは難しく、嘘を吐き続けると嘘に疲れる」ようです






27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 20:57:29.23 ID:SF2Xx8qO0


【――七月某日・VIP帝国大学キャンパス内】



( ^Д^)「――ん、アレは」

(・(エ)・)「どうした?」

(*=゚д゚)「美女か! あの例のクールビューティーさんか!」

( ^Д^)「まぁな。ちなみにその人まんま『クール』って名前なんだけど……そうじゃなくて、」


 何かの研究棟の前。
 トラの言う『クールビューティーさん』ことクー先輩もいるが――あと二人。

 彼女と話している既知の人と未知の人がいた。


( ^Д^)「(片方は……はにゃ先輩、だよな)」

28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:00:21.94 ID:SF2Xx8qO0

 黒髪の方ははにゃ先輩だろう。
 服装に拘りはないのか、今日は某情報屋さんかなんかみたいなコートは羽織っておらず普通の格好。
 ジョークセンスはイマイチだがファッションセンスは一流だ。

 ただ――その隣。
 銀髪。片目に眼帯をつけた黒いスーツの男。


( ^Д^)「(どっかで……ああ、)」

( ^Д^)「兄貴の写真で見たんだ……」


 ちょうどそう気づいた時だった。
 向こうにも俺のことを気づかれたようで、トイレか何かか、建物の中から戻ってきたクー先輩から手を振られた。

 こっちに来い、ということらしい。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:03:35.92 ID:SF2Xx8qO0

( ^Д^)「――わり。今日、飯パス」


(*-(エ)-)「…………手ェ振っただけで、胸って揺れるもんなんだな」

(*=-д-)人「なむなむ……」


(^Д^ )「……聞いちゃいねぇ」

( *^Д^)「(そんな手ェ振ったぐらいで――あ、ホントだ。揺れてるわ)」


 単純な胸の大きさだけでなく、薄着かつ他が締まっているのも大きいんだろう。
 そんなことを思いつつ、少しだけゆっくりと向かう。


( ^Д^)「(でも、デレさんの方が大きい)」


 葉守さんには、負けてしまうけれど。
 デレさんはかなりの巨乳だ。そして美乳でもある。


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:06:45.11 ID:SF2Xx8qO0

( ^Д^)「(あの人はあんま薄着しないし、そもそも手なんて振らないけど)」

川 ゚ー゚)「――何やらしさ満点の顔で来てるんだ?」

(;^Д^)「いや……別に、んなことは……」

(,,゚Д゚)「でもプギャーちゃんわざとゆっくり歩いてたよね?」

(;^Д^)「そ、んなことないですよ? あんま初対面の方の前で俺のキャラが疑われるような発言止めて下さいね、まったく……」




(,,-Д-)「――そう? 筋肉の動き見る限りは不自然だったんだけどね〜」

(;^Д^)「アンタホントに何者なんスか!? 抜けてるフリして観察力高いなあ!」

(,,゚Д゚)「……プギャーちゃんも結構失礼なキャラだよね。駄目だよ、俺は一応二つ上の先輩なんだからね」

(;^Д^)「あ、すんません……」

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:10:18.70 ID:SF2Xx8qO0

 そんなやり取りを見ていた――何処となくモラ先輩に似た男が、「私はこれで」と目礼した。
 俺の地元は積雪が多い地域だが、それよりも遥かに深く冷たく蒼い瞳がこちらを向く。凍えてしまいそうな視線。

 声をかけようか迷った。
 迷ったのは一瞬だけだった。


 俺は、黙ってその人を見送った。


( ^Д^)「…………なんか、気のせいかもしれないスけど、怖い感じの人ですね」

川 ゚ -゚)「エルシールのところの彼がか?」

(;^Д^)「ああ、エルシール家の方でしたか。(また『元老院』の知り合いか……クー先輩の知り合いはそんなんばっかだな)」

(,,^Д^)「ギコハハ。と言ってもアイツは末席だから気にする必要ないよ〜」

(;^Д^)「先輩方なんか勘違いしてるらしいですけど、普通の人は縁者を『末席』とかそういう言い方はしないです」

川 -)「……ふむ」

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:13:15.80 ID:SF2Xx8qO0

川 ゚ -゚)「私もVIP国第二十二皇位継承者だが――そうか。そういうのもないんだな、普通は」


(;^Д^)「――え、クー先輩皇族だったんスか!!?」

川 ゚ -゚)「だったも何も、私の名前の『V』は“VIP国”のVだぞ」

(; Д)「うわ、そういやそうか……うわー」

(,,^Д^)「だから君も政治的に良い家柄であるエルシール家や歴史的に古いハニャーン一族に気を使う必要なんてないんだよ」

(;^Д^)「小市民に無理を強いらないで下さい!!」




(; Д)「(偉そうな人じゃなく偉い人。お嬢様キャラじゃなくお姫様そのものかよ……うわー)」

(;^Д^)「(トソさんもモラ先輩も……図太いなぁ)」

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:16:25.55 ID:SF2Xx8qO0

(,,-Д-)「今だって結婚の話だったしね」

( ^Д^)「結婚……ああ、お見合いでもするんスか?」


川 ゚ -゚)「――いや、許嫁だが」


(;^Д^)「一段階上の話だった!! 現代でそんな旧時代的システムを実用してる人がいるとは……」

川 -ー-)「私は、エルシール家の――四位の男が許嫁でな」

川 ゚ -゚)「ソイツは留学してたんだが先日帰って来たんだ。だから、使いが『一度会われては?』と。まあ会食の誘いだな」

(,,-Д-)「多分アイツの性格を鑑みると『会食』ってほど大層なものじゃないと思うんだけどね〜」

(;^Д^)「へぇ〜……。やっぱ、偉い人はそういうのもあるんですね」

( ^Д^)「で、じゃあ久々に晴れ着で行こうかー、みたいな話だったんですか?」

41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:19:13.27 ID:SF2Xx8qO0

川*゚ー゚)「――いいや、『デートなら直接誘いに来い』と招待状を突き返してやった」


(;^Д^)「大胆過ぎる!相手、偉い人じゃなかったんスか!!? 何スかその“してやったり”的なドヤ顔!!」

(,,-Д-)「クーちゃんは恋愛に関しては厳しいからね〜」

(;^Д^)「いやっ、恋愛ってか、高度に政治的な問題なんじゃ……」

川 ゚ -゚)「別に気を使う必要はない相手だ。許嫁だが、幼馴染でもあるしな」

川* -)「大体アイツは自分勝手だし偉そうだし、好きでもない私と結婚しようとするし……」




( ^Д^)「…結構信頼してる相手なんスね」ボソボソ

(,,-Д゚)「…分かる?」ブツブツ

( *^Д^)「…クー先輩はツンデレラなので本当に大事な相手には素直になれないんですよね?」ボソボソ

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:22:18.50 ID:SF2Xx8qO0

川 -ー-)「――まあ、アイツの話はもう良い。縁が“合ったら”また会うこともあるだろうしな」

川 ゚ -゚)っ■「で――ほら、」

(^Д^;)「っと……なんスか、この書類?」

川 ゚ -゚)「通信制や定時制中学校の書類。これを渡したくてお前を呼んだんだ」




川*゚ -゚)「――逃げられると困るから頑張って胸も揺らしたしな」

(; Д)「チクショウッ!嵌められた!! 孔明の罠か!」

(;-Д-)「お手洗いまで行ってブラまで外してくるのはやり過ぎだと言ったんだけどね……」

(;*^Д^)「いやもうモロ嵌められたけど別にいいやっ!!」

(;-Д-)「プギャーちゃん……」

45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:26:34.28 ID:SF2Xx8qO0

川*゚ -゚)「しかし……これは、ヤバいな。変な気分になってしまうぞ」

( ^Д^)「…………」

(,,-Д-)「……真剣な顔のところ悪いけど、微妙に前屈みになってるよ?」

(;*^Д^)「えっいや、その……気のせいですよ」

川* -)「はぁ、っ……。トソンさんは、いつもこんなことをしてたのか……フィールが高いな」

(;* Д)「いや、トソさんは気にしてないんだと……。てかそろそろ付けてきて下さいよ。流石にその……」




(,,-Д-)「――うんうん。マジかっとビングだね」

(;^Д^)「アンタは遊●王新シリーズ主人公かなんかですか! なんだよ『かっとビング!!』って!!」

(,,゚Д゚)「そんなのは、俺が訊きたい」

(;^Д^)「なら使わないで下さいよ! わざわざ説明しなくちゃならないネタを使わないで!!」

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:30:16.21 ID:SF2Xx8qO0

川*゚ -゚)「『遊●王』と言えば初代ばかりもて囃されるが、GXも5D'sもかなりかっとビングで面白い」

(;^Д^)「もうその妙な合言葉にはツッコミませんからね……」

(,,-Д-)「そういうカードゲームなら多分『M:●G』が一番面白いんだろうけど、アレは完成度が高過ぎてネタにしにくいよね〜」

( ^Д^)「まあ、確かに後先考えず訳分からないカード作ったりはあんまないっぽいですけど。いや、それは良いことなんですけどね?」

( ^Д^)「……アレ。っつーか、お二人はカードゲームやる人ですっけ?」


川*゚ー゚)「――最近はあまりやっていないが、しいて言うなら日曜朝七時は楽しみだな!」


(;^Д^)「『バトル●ピリッツ』ですか!」

(,,-Д-)「んん〜。俺はその時間は別の見てるから分からないな〜。前のパティシエールも良かったけど、今回のも中々良いんだよね」

(;^Д^)「ってはにゃ先輩の方は『べるぜ●ブ』ですか! ホントにアニメ大好きだな、アンタ等!!」

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:33:26.45 ID:SF2Xx8qO0

川*゚ -゚)「そっちも良いんだが……バトスピは小野Dとか櫻井さんとか子安さんとか、好きな声優が沢山出てるから」

(;^Д^)っ「まあ、べるぜはみゆきちとか伊藤さんとか豊崎さんとか女性陣が――じゃなくてっ!! そうじゃないでしょ!!」

(,,-Д-)「うん。ベル坊は男の子だもんね〜」

(;^Д^)「そこでもねぇよ! それ結構どうでもいい!!」

(,,゚Д゚)「どうでも良くないでしょ! ベル坊が女の子だったら、流石にアグネスさんに怒られちゃうよ!」

(;^Д^)「今だって大概怒られそうな内容ですよ! 改造銃を水鉄砲にしたぐらいで流されてるのが不思議なぐらいです!!」




(;^Д^)「――じゃなくてっ!! とりあえず俺の話を聞いて下さい!」

川*-ー-)「いや、分かっているさ。『声優目当てでアニメを見るのはあまり良くない』と、そう言いたいんだろ?」

(;-Д-)「え……あ。まあ、そうです。悪いとは言いませんけど、そればっか注目するのも……」

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:36:30.68 ID:SF2Xx8qO0

(,,-Д-)「――それはちょっと狭量な意見だね、プギャーちゃん」

(,,゚Д゚)「『間違っている』とさえ言えるよ」

( ^Д^)「でも……」

(,,-Д-)「違うな――そうだ、“損をしている”。その言い方が一番正しい」

(,,゚Д゚)「プギャーちゃんは『物語』を大事にする人なんだよね?」

(;^Д^)「え、はい。まあ……」

( ^Д^)「“全体的な流れ”って言うか……中の人ばかりに注目して、内容が疎かになっちゃあ駄目でしょう」

(,,^Д^)「ギコハハ。勿論そうだよ! それは正しい」




川* -)「んっ……! ……後は任せていいか、先輩」

(,,^Д^)「いいよ。顔真っ赤だね、クーちゃん。……早くつけておいで」

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:39:13.96 ID:SF2Xx8qO0

(,,-Д-)「さて――と。ところでプギャーちゃんは演劇とかやる人かな?」

( ^Д^)「演劇ですか? いや、全然ですね。見たこともあんまないです」

(,,-Д゚)「…………シェイクスピアの四大悲劇を本で読んだ人でしょ」

(;^Д^)「はい。有名なやつはパラパラとだけですけど、読みました。(なんで分かったんだろう……?)」

(,,-Д-)「……やっぱりね」




(,,゚Д゚)「――俺もあんまり詳しくないから信用しないで欲しいんだけど、『二重性』があるんだよね。アレってさ」

( ^Д^)「“二重性”?」

(,,-Д-)「モララーちゃんがロミオ役でトソンちゃんがジュリエット役の『ロミオとジュリエット』があるとする」

(;^Д^)「はぁ……」

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:42:26.21 ID:SF2Xx8qO0

(゚、゚*トソン『ロミオ、あなたはどうしてロミオなんですか?』

( -∀・)+『――俺は俺だからさ』




(;^Д^)「いや、台詞がどう考えてもおかしい……。何このイラッとするロミオ」

(,,-Д-)「そのイラッとするキザったらしい文句を言ってるのは誰?」

( ^Д^)「え……ロミオでしょ?」


(,,゚Д゚)「違うよ――文句を言っているのは、“ロミオ”と“モララーちゃん”だ」


( ^Д^)「…………二重性、」

(,,゚Д゚)「ロミオは言葉を言ってて、モララーちゃんは台詞を言ってる。舞台には二人がいる。だから『二重性』」

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:45:21.41 ID:SF2Xx8qO0

(,,゚Д゚)「『物語』という“虚構”と『演劇』という“現実”が重なり合ってる」

(,,-Д-)「俺は音楽が好きだから分かるけど、小説が好きなプギャーちゃんには分かりにくい考え方かな〜」

( ^Д^)「えっと……だから、どちらも楽しまないと損ってことですか?」

(,,゚Д゚)「――そう。“現実”だけの『人生』とも、“虚構”だけの『小説』とも違う。だったら両方楽しまないと損だよね?」

( ^Д^)「なるほど……」




川* -)「――話は終わったか? そろそろ帰ろう……身体が火照って仕方ないんだ」モジッ…

(;^Д^)「折角良い話を聞けたのにクー先輩の所為で台無しです!!」

川* -)「うぅっ……。シャワー浴びたい……」

(,,^Д^)っ「ギコハハ。俺はいつだって正しいけど、クーちゃんはいつだって可愛いね。はい、ジャケット貸してあげる」

川* -)「ありがとうございます……」

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:48:12.27 ID:SF2Xx8qO0


【――その後・帝都北ブロック、VIP大近郊、北ブロックメインストリート】


( ・∀・)「――お、二人で帰りか?」

( ^Д^)「あはは。……まあ、成り行きで」


川*゚ -゚)「もら、らぁ……っ」


( -∀-)「…………で。なんで今日は可愛いモード?」

( ^Д^)「自爆しました」

(・∀・ )「いつも通りじゃねーか……ん?」


川* -)っ ギュゥゥ… ←モララーの服の裾を摘んでいる。

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:52:13.61 ID:SF2Xx8qO0

川*゚ -゚)「いや……っ」

川* -)っ「これは、そのっ……。近くにある布を掴んでしまう症候群で……っ!」

( -∀-)っ「あー、はいはい。わかったよ」ナデナデ

川* -)「ん……っ。止めろ、馬鹿……」




(;*^Д^)「いつもこうならいいのに……」

( ・∀・)「それは無理な相談だな。二十年弱一緒にいる俺が言うんだから間違いない」

( ^Д^)「そりゃまた絶望的ですね」

( -∀-)「まぁ、人生なんて一つの舞台だからなー。俺達は役者に過ぎないし……だから素直になるのは、難しい」

( ^Д^)「ははっ。今ちょうどそういう話をして来たトコですよ」

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:55:13.15 ID:SF2Xx8qO0

( ・∀・)「――んで、その書類は? でぃちゃんのか」

( ^Д^)「あー、はい」

( ^Д^)「戸籍があるんなら学校でもどう? と、いくつか渡されました」

( -∀・)「いいんじゃねーの? 人と会うのは良い刺激になるだろうし、たとえ通信制にするとしても、やっぱ勉強は大事だからな」




( -∀-)「――お前が永久就職させてやるつもりなら余計なお世話だろーけど」

(;*^Д^)「なっ……! だから、俺はロリコンじゃないって何度言ったら理解してくれるんですか!!」

(;・∀・)「え、違ったの!?」

川;゚ -゚)「マジで!?」

(;^Д^)「俺というキャラクターの根幹を成す重要な設定を今更忘れないで下さい!! 何スかこのノリ!?」

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 21:58:12.62 ID:SF2Xx8qO0

( -∀-)「――冗談はこれぐらいにして、」

( ・∀・)「そういうことなら、早くでぃちゃんにも知らせてあげたらどうだ? メールなり、電話なりで」

( ^Д^)「そうっスねー……」

ピッピッ…

川 ゚ -゚)「……む、後輩は結構アドレス帳埋まってる方なんだな」

( ^Д^)「しれっと覗き込まないで下さいよ……別に良いですけど」




川*゚ -゚)「――てっきり友達五人の人だと思ってた。しかも全員女ばかりな」

(;^Д^)「それ俺じゃない! 色々共通点あるけど俺じゃない!!」

( ・∀・)「お前前に『友達作ると人間強度下がるから』とかなんとか言ってなかったっけ?」

(;^Д^)「それも本家の方です!! 俺はそういうこと言うキャラじゃねぇ!!」

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:01:34.49 ID:SF2Xx8qO0


【――雨霧荘・11号室】



(#゚;;-゚) ポケー…


(*゚;;-゚)「…………日向ぼっこ、気持ち良い……」

(* ;;-)「(プギャーさんもいないし……寝転がっちゃおうかな……)」…ゴロリ

ゴロゴロ…

(* ;;-)「にゅふー……」

ゴロゴロ…

(* ;;-)「うにゅにゅー……うふふ」

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:04:14.72 ID:SF2Xx8qO0

―トゥルルルル!トゥルルルル!


(;#゚;;-゚)Σ ビックゥゥゥッ!!

(;# ;;-)「――っ! ……ふう、“けいたい”ですか……」

トゥルルルル!トゥルルルル!

(;#゚;;-゚)っ チョン、チョン…

(#゚;;-゚)「…………」



(;#゚;;-゚)「(どうやって止めるんだっけ……?)」←折角携帯を貰ったのに電話に出れない非日常系美少女。



トゥルルルル!トゥルルルル!

(;#゚;;-゚)っ「電話かな? それならば、確か、どれかのボタンだったと……」

67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:08:07.69 ID:SF2Xx8qO0


【――その頃】


( ^Д^)「…………出ないっスね」

( ・∀・)「お約束の出方が分かんねーとかか?」

( ^Д^)「ははっ、まっさかー。そんな少女マンガにありがちな“砂糖と塩を間違えるヒロイン”みたいな……」




( -∀-)「…現実を舐めるなよ。俺の後ろにいるのは塩と重曹を間違えた女だぞ」ボソボソ

( ^Д^)「……………惜しかったですね」ブツブツ

( ・∀・)「…ああ惜しかった。ナトリウム違いだったな」ボソボソ

( ^Д^)「…まあ炭酸水素ナトリウムと塩化ナトリウムの“ナトリウム違い”であっても普通重曹は砂糖と違って塩の隣に置いてないから間違えないですけどね」ブツブツ

69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:11:30.12 ID:SF2Xx8qO0

( -∀-)「クエン酸入ってた所為で炭酸ガスが発生して魔女の釜みてーになってたなー…………んで、出たか?」

( ^Д^)ぅ「いや、さっぱりです」ピッ

( ^Д^)「まあ多分何処か買い物にでも行ってるんでしょう」

川 ゚ -゚)「……あの美少女、平日は何してるんだ?」

( ^Д^)「え? そりゃ掃除したり、洗濯したり、あと買い物とか近所の人と話したりとか……」




( ・∀・)「(どうしよう、行動が完全に新妻なんだけど)」

川* -)「(きっと夕方になったら玄関で待ってて、後輩を出迎えたりするんだろうな……。はぁはぁ……)」

(・∀・ )「(…………常々思ってたがクーがもし男だったら完全アウトだなー。通報もんだ)」

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:15:02.51 ID:SF2Xx8qO0


【――再び11号室にて】


(;#゚;;-゚)「(――思い出した!)」

(;#゚;;-゚)「(この中央のボタンか、その左下の記号のボタンだっ!)」

(;#゚;;-゚)「(『電話に出たい時はこのへーベル●ウスのような可愛いボタンを押すんですよ』ってトソンさんが言っていた……!)」

(*゚;;-゚)「(あんまりヘーベ●ハウスには見えないけど……でも、これで電話に出られる!!)」


シーン…


(;#゚;;-゚)「………………もう切れてる」

(;# ;;-)「うぅっ……っ」

(;# ;;-)「――うにゅふーっ!!」ゴロゴロゴロゴロ…!! ←何か悔しくなったので床をゴロゴロ転がってみる非日常系美少女。

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:18:18.32 ID:SF2Xx8qO0


【――しばらく後・東ブロック、ニコニコ商店街付近】


( ^Д^)「――まあでもアレですよ、でぃも最近かなり年相応の女の子らしくなってきたっていうか」

( ・∀・)「ほう」

( -Д-)「前は遠慮しがちだったんですけど……最近は結構家で寛いでるみたいで、」




( ^Д^)「――なんか滅茶苦茶丸まったり転がったりしてますね。日向ぼっことか」

( ・∀・)「“年相応”も“女の子らしく”もないんだけど」

川 ゚ -゚)「猫みたいだな」

( *^Д^)「そう!猫みたいで可愛いんですよ!! なんでか俺が帰ってくると止めちゃうんですけど……」

( -∀-)「(そりゃ床を転がる姿を好きな人に見せたい女なんていねーもん。そっちの恥じらいの方がよっぽど“年相応”で“女の子らしい”)」

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:21:17.13 ID:SF2Xx8qO0

( ・∀・)「つか、でぃちゃんは実際いくつなんだ? 本当に中学生なのか?」

( ^Д^)「さあ……。冰刃が言うには十四らしいんですけど……同い年であるはずのアイツ等と比べるとあどけないって言うか、幼い、ような……」


川*゚ー゚)「――ロリっぽいんだな!」


(;^Д^)「あの遠回しにそう言わないようにしてたの気づきませんでしたか?」

川*-ー-)「ロリはいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ」

(;^Д^)「名セリフを最低な感じに改変しないで下さいって言いたかったのに今『変ゼ●』放送中でコムギ先輩の声当ててんの石田さんだからちょっとハマってんのがスゲェムカつく!!」

川*゚ -゚)「狙いました」

( -∀-)「……クー、すっかり復活しやがったな」

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:24:17.50 ID:SF2Xx8qO0

川 ゚ -゚)「まあ? 私はあの作品、あまり好きじゃないんだが」

( ^Д^)「え?そうなんスか? 以外っスね。クー先輩とかトソさんとか好きそうだと思ったのに」

( -∀-)「……お前は分かってねーな」

(^Д^;)「へ?」

( ・∀・)「お前は……何も分かっちゃいない。もう少し『ヤンデレ』というものを理解してると思っていたが……」




( -∀-)「――危なかったな。もう少しでも機嫌が悪かったら俺はこの場でお前をアドバイス部から強制退部させていた」

(;^Д^)「そんなにですか!!?」

( ・∀・)「おうよ。大体、“谷●流のことを萌え系のラノベ作者だと思ってる奴を見た時”――ぐらいには腹が立ってるな」

(;^Д^)「心狭ッ!! むしろハ●ヒしか作品知らないって人の方が多数派だと思いますよ!?」

( ・∀・)「俺は絶対『涼宮●ルヒシリーズ』よりも『学校を●よう!』の方が面白いと思っている。マジで布教したい」

75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:27:36.85 ID:SF2Xx8qO0

( -∀-)「“チャンドラーを推理小説家だと思ってる人間に会った時”に、近い」

( ^Д^)「ああ……それなら分かります」

川 ゚ -゚)「後輩はチャンドラリアンだったのか」

(;^Д^)「そこまでじゃないですけど……とりあえずマーロウのシリーズは全部持ってますね」

( ・∀・)「そこまでいけば十分ファンの域だよ」




( -∀-)「――まあトソンなんかはシャーロック・ホームズシリーズを英語版プラスの翻訳版×3で訳し方比べて楽しんでるがな」

(;^Д^)「コア過ぎる!!?」

( ・∀・)「ついに先日から自訳&自挿絵をやり始めた」

(;^Д^)「死ぬほどアグレッシブなオタクですねぇ、まったく!!」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:30:40.32 ID:SF2Xx8qO0

( ・∀・)「――俺が言いたい『ヤンデレ』も、そういうことだ」

( ^Д^)「“そういうこと”?」

川 -ー-)「シュー姉は小松左京や星新一、筒井康隆――所謂『SF御三家』の本を沢山持っているが、あまり貸してくれない。……お前が言いたいのはそういうことだろう?」

( -∀-)「そ、それだ。でも後輩はまだ分かってねーようだし、一つ例を挙げてやろう」


( ・∀・)「――スゲー美人……たとえばクーがお前の彼女だとする」


川;// -/)「はぁっ!?」

( -∀-)「スタイルも良くて、優秀で……非の打ち所がない彼女」

:川;// -/)っ:「お、おまっ、お前……っ。あぁ、うぅっ……」

(;^Д^)「(モラ先輩、もしかして遊んでるのか? 悪い男だなー……)」

77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:33:24.78 ID:SF2Xx8qO0

( -∀-)「お前はクーにゾッコンで――だから当然、独占しておきたい」

( ・∀・)「家の柱に繋いでおきたいと思うかもしれないし、何処にも行かないように足を千切ったり……いっそ殺したりしてしまうかもしれない」

(;^Д^)「は、はぁ……」


( ・∀・)「でもそれはいけないことだと分かっていて――そして同時に『見せびらかしたい』という欲求もある」


( ^Д^)「あ……」

( ・∀・)「“俺はこんな美人の彼女を持っている”“コイツは俺だけのモノなんだ”」

( -∀-)「んで、やってはいけないことをやりたくなる、禁忌を求める人間の心理。『カリギュラ効果』と」

( ・∀・)「二律背反の二重拘束。心が軋んで精神が悲鳴を上げる」

( ^Д^)「…………」

( ・∀・)「だからこそ、どんどん深みにはまってしまう」

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:36:23.15 ID:SF2Xx8qO0

川 ゚ -゚)「……殺人と自殺を合法にすれば、もしかすると世界は安定するかもしれないな」

( -∀-)「“本物の殺人鬼”以外の快楽殺人・無差別殺人・連続殺人は減るかもしれないなー……まあ、そういうことだ」


( -∀・)「――『変態』は理解される必要なんてねーんだよ。禁忌で倒錯であるからこそ、キモチイイんだからな」


( ^Д^)「なるほど……」

( ・∀・)「まあ、孤独の楽しみを共有できることが更に楽しいように、仲間でつるむのも楽しいのかもしれねーけど」




( ^Д^)「――先輩も恋人に首絞められてヨガるマゾなのは誰にも認められなくても良いんですね」

(; ∀)「チクショウッ! まだ覚えてやがったのか!!」

( ^Д^)「多分一生忘れるの無理だと思います」

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:39:41.88 ID:SF2Xx8qO0


【――マンション『Que sais-je』近く、甘味処『すりーぴんぐ・びゅ〜てぃ〜』店頭】



从;*゚ーノリ「…………」



(;-_-)「なに……? ルカちゃん、どうしたのさ」

ζ(゚ー゚*ζ「?」

从*-ーノリ「ふぅ……」




从*^ーノリ「――師匠に友達がいたということに一頻りびっくりしてました!」

(;-_-)「失礼だな! 僕にだって友達ぐらいいるよ!!」

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:42:11.29 ID:SF2Xx8qO0

从*゚ーノリ「ホントですか?」

(;-_-)「友達ぐらいいるって! 大体、デレさんは友達って言うより仕事仲間だから……」

从*^ーノリ「じゃあ師匠の友達の数を教えてくださいよ」

(;-_-)「え?」

从*゚ーノリ「いるんですよね? 友達」

(; _)「え、えっと……。(まず三人はいるとして、“後輩”であるモララー君達はこの場合含めて良いのか……)」




从*^ーノリ「――ちなみに私は数えられる人数なんて『友“達”』じゃないと思いますけどね」

(;-_-)「じゃあ数えさせないでよ! 君は何がしたいの!?」

从*-ーノリ「しいて言えば……師匠がダメな人であることを確認したかった、ですかねー」

(;-_-)「お願いだからそういうソフトな嫌がらせ止めてよ! 地味に傷つくから!!」

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:45:14.00 ID:SF2Xx8qO0

从*-ーノリっ「ままっ、いいじゃないですか。少なくとも私は師匠のこと『友達』だと思ってますから」

(;-_-)「(なんで僕は自分を傷つけた人間に慰められてるんだろう……)」

从*゚ーノリ「私も暇じゃありませんけど……師匠がどうしてもって言うなら、メールを返すのだって吝かじゃないですよ。三回に一回ぐらいは」

(;-_-)「吝かでないんなら三回は三回とも返してよ! もう、何なの君はっ!!」

从*^ーノリ「暇な休日だって一緒に遊んであげましょう。報酬は何か甘いもので許してあげます!」

(;-_-)「僕と君の間にいつの間に身分差ができたの!?」




ζ(゚、゚*ζ「(…………遊んで欲しいのは自分のくせに。ルカちゃん、ツンデレなのかな)」

ζ(-、-*ζ「(ヒッキー君が鈍感なのは間違いないらしいけど)」

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:48:12.27 ID:SF2Xx8qO0

|‐∀‐|「――お客様方、店頭ではお静かにお願いします」

ζ(゚ー゚*ζ「お客様は神様じゃなかったの?」

|・∀・|「他の神様の迷惑になりますんで」

从*゚ーノリ「他に神様いないじゃないですか。そもそも見たことないですよ」

|・∀・|「そーさな。ぼくも最近はあまり見てないね」

(;-_-)「大丈夫なの、この店それで……」

|‐∀‐|「ありがとうございますお客様。しかし心配には及びません。大丈夫です」




|・∀・|「店が潰れたら地元に帰りますんで」

(;-_-)「それ大丈夫って言わない! ギリギリアウトだよ!!」

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:51:22.80 ID:SF2Xx8qO0

从;*゚ーノリ「ホントに大丈夫なんですか? おじさんがいなくなったら私、結構困るんですけど」

|‐∀‐|「……強く生きろよ、ルカ」

从;*-ーノリ「ちょー他人事ですね……。おじさんをアテにしていた私が馬鹿でした……」

|・∀・|「大丈夫だ。何気にぼくも考えてるぞ」




...( ・∀・)「――おー。皆さんお揃いで」テクテク

( ^Д^)「珍しいっスね。ここにこんなにお客さんがいるの稀じゃないですか?」

|・∀・|「団子一皿だけ頼んで一時間以上居座る人を客と呼べるかは議論の余地があると思うんだが」

ζ(-、-*ζ「なら、プギャー君達の為にもう一皿お願いね」

|‐∀‐|「そういうことでもないんだけど……まあいいや。少々お待ちを」

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:54:14.97 ID:SF2Xx8qO0


【――数分後】


|・∀・|「はい、ご注文の品ですー」

( -∀-)「相変わらず“ザ・団子”みたいな飾り気ゼロな団子だなー……。これで美味くなかったら間違いなく潰れてるぞ、この店」

|・∀・|「そーさな……。今までもやってこれたんで大丈夫だと思うぞ」

从;*-ーノリ「ホントの本当にお願いします……」




( ^Д^)「んで……」

( ・∀・)「ああ。初対面だったな」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 22:57:13.29 ID:SF2Xx8qO0

( ・∀・)「そっちの地味な方がヒッキー変態、くりくりした瞳が可愛いのがルカちゃんだ」

(;-_-)「ちょっと“変態”って何さ!“先輩”でしょ! ねぇ!」

(;^Д^)「(あ、俺と似た感じのポジションだ)」

( -∀-)「……まあお前も色々教えて貰うと良いぜ?」


川*゚ー゚)「――なんせ、ヒッキー変態はお前と同じく中学生に恋するロリコンだからなっ!!」


(;-_-)「考え得る限りで最低の紹介のされ方!!」

从;*゚ーノリ「うわー……。師匠、そういう趣味があったんですか……」

(;-_-)「そこ君フォローするところでしょ!? その“中学生”って多分君のことだよ!?」

(;^Д^)「そしてさり気なく俺のこともロリコン扱いにすんの止めて下さい! まったく!!」

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:00:19.47 ID:SF2Xx8qO0

<『お客様方、店頭で騒ぐのはご遠慮下さいって言ってんだろテメー』

ζ(-、-*ζ「ルカちゃんはこの甘味処の店主さんの姪らしいよ」

从*-ーノリ「はじめまして、薄縹色のお兄さん」ペコリ

( ^Д^)「あ、ああ。プギャーだ、よろしく。(“うすはなだ”っていうと、淡い藍か。……比喩かなんかか?)」




从*゚ーノリ「……そうだ」

从*^ーノリ「師匠はバーガンディのお兄さんに何か用事があったんじゃないですか?」

(;-_-)「うん……。そうだったね」

( ・∀・)「俺に用事?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん、そう。私からの用事でもある」

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:03:28.45 ID:SF2Xx8qO0

(-_-)「僕は色々仕事掛け持ちしてて、作家でもあるんだけど……うちの出版社がね、素人の作品を募集してるの」

ζ(-、-*ζ「編集長さんの気紛れでそういうコーナーが出来ちゃって」

ζ(゚ー゚*ζ「でも大手ならいさ知らず、ゴシップ誌一歩手前な雑誌に投稿する人なんていないでしょ?」

( ^Д^)「そうっスねー……」

(-_-)「賞金こそ多少出るけど、掲載されたからってデビューできるわけでもないし」

( -∀-)「……んで? 結論を言えよ、結論」

(;-_-)「君ね、もう少し年上に対する敬意をさ……」




( ・∀・)「仲良い二人の先輩の“ダメな方”であるヒッキー先輩にはなぁ、あんまり敬意とか払いたくないなぁ」

(;-_-)「酷い!」

川 ゚ -゚)「ついさっきはにゃ先輩に会ったばかりだからどうしても見劣りしてしまうな」

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:06:27.37 ID:SF2Xx8qO0

从*゚ーノリ「師匠、落ち込まないでください」

(;-_-)「慣れてるんだけどね……」

从*^ーノリ「――師匠がダメなのは周知の事実じゃないですか!」

(;つ_)「うん……。このやり取りもいい加減慣れたよ……」




( ^Д^)「まるで夫婦漫才ですね」

川 ゚ -゚)「長い間見てると段々腹立ってくるぞ。ラブラブ過ぎて」

(;^Д^)「…………あの、深い仲ではないんですよね?」

ζ(-、-*ζ「“深い仲”が“恋愛関係”という意味なら違うだろうね」

( ・∀・)「浅い仲でもねーがな」

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:09:30.26 ID:SF2Xx8qO0

( -∀・)「んで? 先輩は俺に何の相談があるんだよ」

(-_-)「相談って言うか、サクラの依頼だね」


(-_-)「うん、だからモララー君――――短編小説書いてみない?」




( -∀-)「――嫌だ。あっ、間違えた。だが断る」

(;-_-)「パロネタを使うの忘れるほどの速度で即答!? なんで、どうしてさ!?」

( ・∀・)「なんでって…………なんとなく」

(;-_-)「……もしかして君、僕のこと嫌いだったりする?」

( ・∀・)「まさか、それなりに好きだぜ? 漢数字の“二”には劣るが」

(;-_-)「“二の次”ってことか!」

93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:12:24.91 ID:SF2Xx8qO0

ζ(゚ー゚*ζ「――私からもお願いするよ。これでも結構困ってるんだ」

( ^Д^)「え?」

ζ(-、-*ζ「そのコーナーが潰れるとできて空白を誰かが埋めないといけなくなって、私かヒッキーさんの仕事が増えるの」

ζ(゚ー゚*ζ「私は大学にも行きたいし……どうにかお願いできないかな」

( -∀-)「おし、任せて下さい」




(;-_-)「露骨に態度が違うんだけど……」

从*゚ーノリ「美人は得ですねー」

(;-_-)「そういうことじゃないと思うけど……まあいいや、やってもらえるんなら」

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:15:23.84 ID:SF2Xx8qO0

ζ(^ー^*ζ「ありがとう。えっと……モララーさん」

( -∀-)「大したことじゃないですよ。後輩の大切なもんは俺の大切なもんでもあるっつーだけの話だ」

( -∀・)「それに、クーのご近所さんだ。お世話になることだって多いだろうしな」

ζ(-、-*ζ「……そうだね」




( ^Д^)「…………」

川 ゚ー゚)「なんだ、嫉妬か?」

(;^Д^)「はぁっ!? 何言ってんスか、クー先輩は!」

(; Д)「別に、俺は……」

从*^ーノリ「(お兄さん分かり易いなー……。よっぽど好きなんだろうな、デレさんのこと)」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2011/05/07(土) 23:18:21.58 ID:SF2Xx8qO0

ζ(゚ー゚*ζ「――そうだ」

ζ(^ー^*ζ「誰か一人ぐらいはルカちゃんにこの辺を案内してあげてくれないかな? 折角の機会だしね」

ζ(-、-*ζ「帝都まで遊びに来て、何もせずに帰るなんて可哀想でしょ」

( ・∀・)「そうか、そーいやここらの人じゃなかったんだったな。先輩も、ルカちゃんも」

( ^Д^)「なら土地勘のある誰か……」

( -∀-)「いや、」


( -∀・)「――――どうせだ、軽くゲームでもして決めようぜ?」



 ――後半へ続く?




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