- 2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:24:28.42 ID:tFHpE7Fh0
〜オープニング代わりのキャラ紹介〜
(#゚;;-゚)「こんばんは。でぃです」
(#゚;;-゚)「作者は、割と切羽詰ってるはずなのですが……焦りが見受けられません」
(#゚;;-゚)「焦り、ということで本日は、この方です」
【毎回狼狽しっぱなしのハイテンションツッコミ・プギャー】
(;^Д^)「……いや、いいですけどね? 事実だから仕方ないと思います……」
(#^;;-^)「友達二号さんをはじめとする人間関係には、不可欠です」
(;^Д^)「ああ、どうも……」
(;^Д^)「(ツッコミ要員として重宝されても、あんまり嬉しくない……)」
- 4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:27:06.34 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「さて。家族構成は、作中で一度触れられてましたが……」
( ^Д^)「兄二人の妹二人なんスけど、異父・異母兄妹とまことしやかに噂されてます」
( ^Д^)「両親は健在です。……まぁ、血が繋がってないかもしれないんスけどねー」
(#゚;;-゚)「年齢差は、どうでしょう」
(;^Д^)「……ええっと、妹達は一回休学してたから今、中二かな。上の兄貴が三十前ぐらい」
( ^Д^)「下の兄貴は二十歳過ぎ。大学も同じはずなのに……全然会わねぇ」
(#゚;;-゚)「複雑そうですね」
( ^Д^)「雨斎院家は個人主義なんで。ずっと昔からこんな感じですよ、っと」
( ^Д^)「上の兄貴は父親っぽかったっスね。特に、妹達にとっては」
(#゚;;-゚)「複雑ですが、仲の良い兄妹ですか」
( ^Д^)「そーなるかな……」
- 5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:30:05.27 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「では、大学の大雑把な位置説明をお願いします」
(;^Д^)「なんで俺が……って、他の奴じゃ無理っぽいよな」
( ^Д^)「『帝都』と呼ばれる地域は四ブロック+中央地区で構成されています」
( ^Д^)「VIP大があるのは中央寄りの北。俺やモラ先輩が住んでるのが東ブロックです」
( ^Д^)「ブーンさんの働くピザ屋は南東辺りです」
(;^Д^)「っつーか、基本電車や車で移動してるからイマイチ分からん……」
(#゚;;-゚)「プギャーさんは、通学はバスですよね?」
( ^Д^)「基本は。……機会があればそのうち散策でもしてみるか」
(*゚;;-゚)「はい。(デート……)」
- 6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:33:14.87 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「ところで将来の職業などは決まっていますか?」
(;^Д^)「いや、全然。最悪の場合、家業継がないとだしなぁ……」
(#゚;;-゚)「幸運なのか不運なのか判然としないところです」
(#゚;;-゚)「――では、次に好きな物と嫌いな物を教えて下さい」
( ^Д^)「好きなのは散歩と天体観測。多分、兄貴二人の影響だと思う」
(;^Д^)「嫌いってか、苦手なのが……俺様口調」
(#゚;;-゚)「オレサマですか?」
(;^Д^)「昔とあるゲームで負けて、それを強要されてた時期があってだな……」
(*゚;;-゚)「(俺様……)またその口調にする気はありますか?」
( ^Д^)「ないな」
(# ;;-)「そうですか……」 シュン
- 7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:36:08.57 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「最後に一言を――」
( ^Д^)「そうそう。訂正があった」
(#゚;;-゚)「はぁ。なんでしょう」
( ^Д^)「――今は家族の人数にプラス一、だ。うっかりしてた」
(#// -/)「っ!!」 かぁっ
(;^Д^)「むしろ一緒に暮らしてるのはでぃだけだから二人家族という考え方も――って、どうした?」
(#// -/)「わ、わわ……。なんでもっ、ありません……」
( ^Д^)「そうか? 熱でもあるんじゃないか? 顔赤いし」
(#// -/)「ないですっ! ないですから、おでこをくっつけるのは〜〜〜っ!!」
(;^Д^)「……あ、悪い。妹あやす時の癖が出た」
(#// -/)「ううぅぅぅ〜……。本編すたーと、です…………」
- 8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:39:12.84 ID:tFHpE7Fh0
6‐Call Finally get on the line ―― but engaged
从//ー^从「一人よりも二人、三人よりも二人きり。二人は一人と同じぐらいに楽なのよ」
……すたーとっ
- 9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:42:06.11 ID:tFHpE7Fh0
【――夕方・VIP大、黒魔術部部室】
lw´ _ ノv「…………」
川 ゚ -゚)「…………ふむ」
川 ゚ -゚)「――弁解があるなら聞こうか、ドクオ君」
(;'A`)「(珍しく名前を呼ばれた……のは、死亡フラグだよな……)」
川 ゚ -゚)「私の姉さんは何故に部室に閉じ篭もってその隅で縮こまっているのだ?」
(;'A`)「えっと……」
川 ゚ -゚)「シュー姉は内向的で後ろ向きだが、こんな状態になるのは滅多にない」
川 ゚ -゚)「前回はフサが大怪我をした時だったが……うん、今回も、確実に奴が関係しているな」
- 10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:45:05.49 ID:tFHpE7Fh0
川 ゚ -゚)「――ドクオ君」
(;'∀`)「はい……」
川 ゚ -゚)「私は下品で、自惚れ屋で高慢で、自己中心的かつ年齢にそぐわないほど我侭で気紛れな存在だ」
川 ゚ -゚)「悪乗りで友達を傷つけることばかり。周囲の人々には迷惑をかけてばかりだ」
川 ゚ -゚)「……さて、ドクオ君。君には、ことの経緯を話してもらうと思っている。……異論は?」
(;'A`)「ありません……」
川 -)「ありがとう。それで、最初に一つ言っておくのだが――」
川#゚ -゚)「私は家族が大好きだ。だから、なるべく正直に話せ。――――殺すのだけは、我慢する」
- 12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:48:04.30 ID:tFHpE7Fh0
【――少し戻って・帝都、大通り】
ミ,,゚Д゚彡「――相変わらず人が多いな。記憶的に考えても、俺達が住んでたとこよりずっと多い」
(#゚;;-゚)「ご出身は、ここではないのですか?」
ミ,,^Д^彡「もうちょい東だな。お前のその――プギャーという友達は知らないが、モラの字や淳姉妹は同じ高校だった」
(#゚;;-゚)「……シューさんとは、付き合ってらしたのですか?」
ミ,,-Д-彡「最後の方だけな。その二年後に俺は就職した。シューとは……あんま、会わなくなった」
ミ,,^Д^彡「くはは。中高と放課後図書館で一緒にいた日々が懐かしいよ」
(#゚;;-゚)「…………」
- 13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:51:03.58 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「シューさんのこと、好きなんですね」
ミ,,-Д-彡「……アイツを好きじゃなかった時なんて一秒だってないさ」
ミ,,゚Д゚彡「――っと、だからこういうのを直さなきゃだったな。常識的に考えて」
(#゚;;-゚)「……羨ましいです」
(#゚;;-゚)「誰かに、ずっと長い間想われるというのは、とても幸せなことです」
ミ,,-Д-彡「……お嬢ちゃんだって家族ぐらいいるだろう? 俺にとってシューはそういうものなんだ」
(#゚;;-゚)「いませんよ」
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
(#゚;;-゚)「私に、家族は、いません。必要ないので――私達の常識的に考えれば」
ミ,,-Д-彡「……そうか」
- 14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:54:04.48 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「――でも、」
(*^;;-^)「私にも、やっと家族が……友達ができました。それはきっと、とても嬉しいことです」
ミ,,-Д-彡「……なら、その『友達』に一人追加だな」
(#゚;;-゚)「?」
ミ,,^Д^彡「話の流れ的に考えて俺も加わるべきだろう。……どうだ? 俺を、お嬢ちゃんの友達にしてくれないか?」
(#゚;;-゚)「…………」
(#^;;-^)「……喜んで、です」
ミ,,^Д^彡「くは。それなら良かったよ」
- 15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 20:57:06.50 ID:tFHpE7Fh0
ミ,,゚Д゚彡「……おし」
ミ,,-Д-彡「じゃあ、お嬢ちゃんにサービスだ」
スッ…
(*゚;;-゚)「(屈んでもまだおっきい……)」
ミ,,-Д-彡「肩車してやるよ。やったことなくても、やり方ぐらいは知ってるだろ?」
(#゚;;-゚)「でも……」
ミ,,^Д^彡「遠慮するな。お前ぐらい、楽勝だ。俺をお父さんと思ってだな、」
(#゚;;-゚)「いえ、」
(#゚;;-゚)「――今スカートですから」←まだ着替えてないセーラー服美少女。
ミ;-Д-彡「……配慮が足りませんでした」
- 16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:00:09.89 ID:tFHpE7Fh0
【――その夜・某高級マンション】
川 ゚ -゚)「――シュー姉。もうすぐ、待ち合わせ時間なんじゃないか?」
lw´ _ ノv「…………」
川 -)「……まったく」
川 ゚ -゚)「行かないつもりか。すっぽかすつもりか?」
lw´ _ ノv「……だって、」
川 ゚ -゚)「…………“だって”?」
lw´; _;ノv「フサ、もう、私のことなんか好きじゃないかもしれないし……」
lw´; _;ノv「全然連絡しなかったから、きっと愛想尽かしてる……」
川 ゚ -゚)「…………」
- 18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:03:09.68 ID:tFHpE7Fh0
川 -)「……はぁ」
川 ゚ -゚)「あの脇役Aの言ったことを気にしてるなら、杞憂だぞ?」
川 ゚ -゚)「フサが、あのフサがシュー姉を嫌いになることなんてありえない」
:lw´う _;ノv:「でも、なに゛話ぜばいいのか……」
川;゚ -゚)「そんなもの実際会ってから考えろ。中学生じゃないんだから」
川 -)「第一……シュー姉は、ずるいぞ」
lw´; _;ノv「ずる、い……?」
川 ゚ -゚)「ああ。いっそ軽蔑するぐらいに――卑怯だ」
- 19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:06:05.78 ID:tFHpE7Fh0
川 -ー-)「嫌われてる。もう好きじゃない。……それは分かった。確かに、そうかもしれないな」
川 ゚ -゚)「――だからって、現実から逃げるなよ」
lw´う _ ノv「ぅ……」
川 -)「卑怯だぞ、そんなのは。『キライ』って直接言われたくないからって会わないのは……最低だ。都合が良過ぎるぞ」
川 -)「ソイツが好きなら……本当に、好きなのならな…………」
川#゚ -゚)「――――最後まで、逃げずに真正面から付き合え。自分の殻に閉じ篭もらず相手をしっかり見ろよ」
lw´; _;ノv「クーちゃん……」
:川# -):「どいつもこいつも本当にやるべきことから目を逸らして、言い訳して嘘吐いて誤魔化して――こそこそ卑屈に生きやがって!」
川#゚ -゚)「怠けんな! 簡単なことだろうが、サボってんじゃねぇぞ!」
川#゚д゚)「なんでもっとしゃんとしないんだお前らは! 曲がってんじゃねぇぞ! ――by、哀川潤!!」
- 20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:09:21.08 ID:tFHpE7Fh0
:lw´う _ ノv:「だって、だって……」
川#゚ -゚)「“だって”もクソもあるか。どうせ、なるようにしかならないんだ。だったら――」
ヴヴヴ……
川#゚ -゚)っ「――うるさい! なんだ、電話か!?」
ピッ
『――木更津ゥ?』
川# -) ブチッ ←血管がブチ切れ、同時に電話を叩き切った音。
川 ゚ -゚)「――それ、で。なんだったか」
ヴヴヴ……
川#゚ -゚)「ああっ――クソがッ!!」 ピッ
- 21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:12:12.97 ID:tFHpE7Fh0
( ・∀・)「――お前、いきなり切ることはねぇんじゃね? ぶっさん泣いちゃうよ?泣いちゃうよ?」
『今取り込んでる。デートの誘いなら今度にしろ』
( -∀-)「……やっぱシューは駄目だったか。その分だと、ドクオがいなくてもそうなってただろーな」
:(メ;A(#):「生きてるって、素晴らしい……」
ξ;゚听)ξ「うわぁ、ブサイクが台無しね。唯一の特徴なのに」
(;><)「なんか――女性って理不尽ですね。色々と」
『――そんなことはどうでもいい』
( ・∀・)「まぁ、どうでもいいけどな」
:(うA(#):「なんでお前等俺にピンポイント爆撃……?」
- 22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:15:17.08 ID:tFHpE7Fh0
川#゚ -゚)「さっきも言ったが、今忙しいんだ。待ち合わせの時間までもうない」
『――その話なんだがな、』
川#゚ -゚)「?」
『ちょっとラジオつけてみろ』
川#゚ -゚)「ラジオ?」
『アヤちゃんのやつな。ちょうど、今からだろ。つけてみろ』
川# -)「なんでこの状況で……」
『いーから。騙されたと思って』
- 24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:18:07.15 ID:tFHpE7Fh0
【――午後十時・帝都、国営ラジオ塔、第三スタジオ】
ギュンギュンギュギューン テーッテレッテー♪ デデーン♪
从//ー^从「――ラジオの前の皆さん、こんばんは。『ミッドナイト・ワンダリング』のお時間です」
从//ー'从「パーソナリティーがいつも通り私、アヤです。変わり映えなくてごめんなさい」
从//ー'从「今日も、今から五時間の間、益体のないお話を音楽を交えながら送っていきたいと思います。お暇ならお付き合い下さいね」
- 25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:21:08.17 ID:tFHpE7Fh0
从//ー'从「……それにしても。私は一応『歌手』なのに、『ディスクジョッキー』として働いている時間の方が長いのはどういうことなのかしら?」
从//ー'从「あとは、この時間ね」
从//ー^从「私のホルモンバランスを崩そうという悪意しか感じられないのだけれど……どうなのかしら?」
< 気のせいだー
从//ー'从「……『気のせい』という回答を頂きました。気のせい、ということにしておきますね」
从//ー^从「リスナーの皆様も気をつけて。これを聞いて下さるのは勿論嬉しいけれど、健康も大事ですから」
从//ー'从「――ああ、それと」
从//ー'从「この間の週刊誌(写真つきインタビュー)が発売されてから、私の包帯のことを心配するメッセージが多いのだけれど……」
从//ー^从「これは……そうね。単なるトレードマークなので心配しないで下さい」
从//ー-从「詳しいことは今週末発売の写真集に書いてあります。お財布に余裕のある方は……よろしくお願いします」
- 26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:24:02.88 ID:tFHpE7Fh0
【――リアルタイム・ピザ屋】
< ヨロシクオネガイシマ-ス.
( ・∀・)「……写真集出るのか。買わないと」
(;^Д^)「なんで公然とそういうこと言うんですか! 確実に怒るでしょ!トソさんが!!」
( *^ω^)「アヤちゃんはメディア露出が少ないから写真集とか滅多に出さないんだお――ってか、初めてなんだお」
( ・∀・)「最悪、二度と出さないだろうな。っつーわけで、ファンならこの機会を逃すわけにはいかないだろう」
(;^Д^)「いやインタビューを読んだだけで目を抉ろうとする奥さんが隣にいるのに……」
( -∀-)「――大丈夫だ。話し合いは済んでいる」
(;^Д^)「はぁ?」
- 27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:27:08.57 ID:tFHpE7Fh0
( ・∀・)「あの後、説得しました」
( ・∀・)「そして見事成功」
:(ー ;トソン:「――大丈夫です。それぐらい、ええ、それぐらいは……」
(;^Д^)「いやいやいやいや! 小刻みに震えて――って、拳強く握り過ぎて血が出てるんですけど!!」
(;・∀・)「えっ、マジで!?」
:(;、;トソン:「写真集ぐらい……。写真ぐらいは認める、寛大な妻に……」
(;-∀-)「――ごめん。俺が悪かった。俺が悪かったよ」
:(う、;トソン:「ううぅぅぅぅ……」
――ぎゅう
( -∀-)っ「お前が一番だ。お前がいれば何もいらない」
(;、;トソン「うぅぅぅ……」
- 28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:30:12.52 ID:tFHpE7Fh0
( -∀-)「――よし、帰ろう。フサとかどーでもいいし、もう帰ろう。家帰って、いちゃいちゃしよう」
(;ー;*トソン「いちゃいちゃ……。えへへ……」
(;^Д^)「仮にも幼馴染のことどーでもいいとか言っちゃった! アンタ、トソさん以外はホントにどうでもいいわけか!?」
(#゚;;-゚)「フサさんも好きとおっしゃっていましたが、“アヤさん”とは、そんなにも凄い人ですか?」
( *^ω^)「おー。『歌手』とかより『巫女』って言葉が相応しい、綺麗な歌を歌うんだお」
ξ--)ξ「滅多にテレビとか出ない、硬派な人。……美人なのにね」
( ><)「――そう言えば、そのフサさんは待ち合わせ場所でしょうか」
(#゚;;-゚)「はい。ちゃんと、送り届けました」
(*゚;;-゚)「(またして欲しいな……。肩車……)」
- 30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:33:18.38 ID:tFHpE7Fh0
【――午後十時過ぎ・国営ラジオ塔、第三スタジオ】
从//ー'从「さて、本日のゲストはサックス奏者の河合さんですが――」
シーン…
从//ー^从「――トラブルでしょうか。到着していないみたいです」
从//ー'从「なので、お先にお便りを一通」
从//ー'从「お悩み相談のコーナーは零時からなのだけれど、今日は特別。切羽詰まってるらしいの」
从//ー^从「(……少なくとも、あのメイドさんが直接渡しに来るぐらいにはね)」
- 31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:36:04.33 ID:tFHpE7Fh0
从//ー'从「――では、ラジオネーム・フサフサさんからのお便りです」
【ラジオネーム フサフサさん】
こんばんは。
早速ですが悩みを聞いて下さい。
……僕には、彼女がいます。
僕の幼馴染で内気だけど可愛い子です。
仕事の都合で長い間会えませんでしたが、今日、久しぶりに会うことになっています。
でも……もしかすると、彼女は来てくれないかもしれません。
もし来てくれたとしても、何を話せばいいのか……。
僕には分からないんです。
从//ー'从「……なるほどねー。単純なようで、複雑な問題ですね」
从//ー-从「うーん、そうね……」
- 32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:39:09.18 ID:tFHpE7Fh0
从//ー-从「うん――私から言うべきことは、一つね」
从//ー'从「――その子のこと、思いっきり抱き締めてあげなさい」
从//ー从「きっと寂しかっただろうから。あなたも勿論そうだろうけれど……でも、女の子は、凄く寂しがり屋なのよ」
从//ー^从「だから、抱き締めてあげてね。『大好きだよ』って伝える為に」
从//ー'从「長い間会えなかったことについては――うん、そうね。私が今、代わりに謝ってあげるから」
从//ー'从「――フサフサさんの幼馴染で恋人のシュールさん」
从//ー'从「聞いているかなー? 聞いていると、いいのだけれど……」
- 33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:42:48.19 ID:tFHpE7Fh0
【――高級マンションにて】
<『――シュールさん。聞いているでしょうか』
lw´う _;ノv「ふさ…………」
<『あなたの恋人のフサフサさんは、今でもあなたのことが大好きです』
<『寂しい思いさせてゴメン、って思っています。とてもとても――悪いと思っているそうです』
<『シュールさん。もし、あなたも同じ気持ちなのなら……』
lw´ _ ノv「……クーちゃん」
川*-ー-)「わかってるよ……。シュー姉――行ってらっしゃい」
- 34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:45:14.03 ID:tFHpE7Fh0
【――数十分後・東ブロック、帝都大展望台、駐車場】
lw;´‐ _‐ノv「あっ……」
――平日の駐車場には、車が一台だけだった。
寄りかかって、空を見上げているのは、他でもない彼だ。
ミ *-Д-彡「…………」
煙草を点けようとしていたフサは、私を見つけて――照れ臭そうに笑った。
少し痩せたかもしれない。
頬に殴られたような傷がある。
でも、元気そうだ。
- 35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:48:41.41 ID:tFHpE7Fh0
文句の一つでも言ってやろうと思ってたのに。
彼の姿を見たら、なんだか、今まで考えてたこととか、全部なくなっちゃって。
不安とかなくなって。
安心して。
lw´; _;ノv
悲しくもないのに涙が出て。
時間がなくてお化粧も満足にできなかったのが逆に良かったかな、とか考えて。
ミ;゚Д゚彡Σ
――それを見たフサが、慌てて駆け寄ってきて。
せめて殴るか蹴るかしてやろうと思ったけど、その前に抱き締められた。
強く、強く。
痛いぐらいに――強く、抱き締めてくれた。
- 36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:51:42.07 ID:tFHpE7Fh0
lw*´; _;ノv「寂しかった……。私は……じゃなかった。僕は、本当に……」
ミ,,-Д-彡「――ごめん」
lw*´; _;ノv「死にそうなぐらいに寂しくて、本当に寂しくて……」
ミ,,-Д-彡「悪かった。モラの字にも怒られた――ってか、出会い頭に殴られたよ。『彼女を不安にさせるなんて最低だ』って」
ミ,,-Д-彡「……俺のこと、嫌いになったか?」
lw*´ _ ノv「……ううん。ううん、大好き。ずっと――大好きだよ」
ミ *-Д-彡「俺もだ。大好きだよ」
信じられないぐらいに安心させてくれる。
何か暖かいモノが、身体中に染み渡っていく。
――駄目だなぁ、本当に。
私は、フサのことが好きでたまらないや。
- 37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:54:57.41 ID:tFHpE7Fh0
私は彼のことが好きで。
そして、彼も私のことが好きだ。
目の前に好きな人がいて、その人は自分のことを抱き締めてくれる。
なんて幸せなことなんだろう。
今までも、この“当たり前”――大切にすれば良かったなぁ。
「ごめん。プレゼント、家に忘れてきちゃった……」
「……なら、俺から渡したいものがあるんだが。もう一生離れない為のお守りなんだけど……貰ってくれるか?」
皆まで言うなよ、恥ずかしいなぁ。
なんだよ、その比喩。馬鹿じゃないのか?
もう、こっちは顔が真っ赤になっちゃってるんだ。
君の顔なんて見れないよ。返事だけでもしたいけど、涙声になるに違いない。
- 38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 21:57:20.02 ID:tFHpE7Fh0
どうせ言葉なんかじゃ君への想いは伝えきれない。
絶対無理ってことはないけれど、短い時間が更に短くなっちゃうよ。
だから。
私は、こうしよう。
二人で過ごすのが当たり前になるよう願いつつ。
その当たり前な奇跡を喜んで。これからも、短い一生を一緒に過ごすことを誓わせて。
返事はこれで我慢してね。これでも恥ずかしいんだよ。
lw*´ _ ノv
君への想いと、君への返事。
二つの為に――私は黙って抱き締め返す。
......Not ending, it's a kind of beginning.
- 39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:00:14.78 ID:tFHpE7Fh0
今回の“call out”の意味は“〜〜を大声で叫ぶ”でした。
僕が君をどれほど想っているのかを、みたいな。
短編の最後を“END”にしてしまったことを後悔していたので、今回は終わらせませんでした。
『コールアウター』っぽくはなかったですね。
ごめんなさい。
それでは、おまけを。
- 41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:03:41.29 ID:tFHpE7Fh0
Call back‐6
lw*´‐ _‐ノv「短い一生、その全て。女の子の人生は愛情だけだよ」
……すたーとっ
- 42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:06:18.67 ID:tFHpE7Fh0
【黒子メン、メイキング?】
ξ゚听)ξ「――シューちゃんとフサの一日」
(゚、゚トソン「その功労者がモララーです」
( ・∀・)「そして、俺がやったのが以下のこと」
・フサになったつもりでお便り作成。
・それを前日にビロードに渡す。ビロードはそれを渡辺に手渡し。
・先に待ち合わせ場所に着いていたフサをとりあえず殴る。
・クールに電話をかけ、ラジオを聞かせる。
(;^Д^)「っつーか、普通に会わせれば良かったんじゃ……」
( ・∀・)「ばーか。雰囲気が大事なんだろうが、こういうのはさ」
( -∀-)「特にこの――『幼馴染』って関係っつーのはよ」
- 43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:09:07.81 ID:tFHpE7Fh0
【歌姫とメイドガイ】
( ^ω^)「そういや、アヤちゃんとは知り合いなのかお?」
( ><)「まぁ……そうですかね」
( ・∀・)「どういう感じ?」
( ><)+「――お互いの立場上時折敵同士になったりして、殴り合いをしたりする仲ですね」
(;・∀・)「……は?」
( ><)「嘘ですよ、嘘。ただの知り合いです」
( -∀-)「なんだ嘘かよ……」
(;><)「(説明するのが面倒なんで、その認識でいいんです……)」
- 44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:12:05.93 ID:tFHpE7Fh0
【ギリギリデッドライン】
(#゚;;-゚)「フサさん。お仕事は、なんでしょう」
ミ,,゚Д゚彡「ん? 『PMSCs』のコントラクターだけど」
( ><)「“Private Military and Security Companies”……民間軍事派遣会社ですか」
( ><)「帝都の民間軍事というと、『R.M.F』か『ギルド』辺りでしょうか」
ミ,,^Д^彡「くはは。……もう止めたよ」
lw´‐ _‐ノv「――私が止めさせた」
(#゚;;-゚)「すると……ヒモ、ですか?」
ミ,,-Д-彡「いや、シューのマンションの警備員になりました」
lw*´‐ _‐ノv「半ば同棲だね」
- 47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:15:17.10 ID:tFHpE7Fh0
ミ,,゚Д゚彡「そう言えば……お前、どっかで見たことあるな」
(;><) ギクリ
ミ,,-Д-彡「どこだっけなー……」
(;><)「いえいえ! そんなはずありません、僕はしがないメイドガイなんです!!」
ミ,,゚Д゚彡「そうかぁ?」
ξ゚听)ξ「――メイド服の理由も聞いてないわね……」
( ^ω^)「謎キャラだお」
(;><)「何処にでもいる何の変哲もないメイドガイですよ! 僕は!!」
ξ--)ξ「メイドガイなんて一般的な職業じゃないっつーの」
- 48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:18:32.84 ID:tFHpE7Fh0
【佳麗なる一族、淳一族】
( ・∀・)「――つーか、かなり久しぶりだな」
ミ,,^Д^彡「くははは。確かに」
ミ *゚Д゚彡「だが安心しろ。お前が淳姉妹の“弟”だってんなら、そのうち俺のことを“お義兄さん”と呼ぶ日が来る。毎日会えるぞ」
(;・∀・)「ヤダよ。ぜってーに、ヤダ」
ミ,,-Д-彡「しかし戸籍的に考えればお前は淳家の人間だ。弟になるわけだ」
(;-∀-)「そーなんだよなぁ……」
ミ,,^Д^彡「――これからもよろしくな。義弟(おとうと)よ」
(;・∀・)「うわー……。フサが兄貴かよ……」
- 49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:21:49.51 ID:tFHpE7Fh0
川 ゚ -゚)「――しかし、ならば私達のことは“お姉ちゃん”と呼ぶべきだろう」
lw*´‐ _‐ノv「モララーと結婚するんなら、トソンちゃんもね」
川*゚ー゚)「甘えた感じで言えよ? 上手く言えたら、頭ナデナデしてやる」
(;・∀・)「うぐぐぐ……」
(゚、゚トソン「では、」
:(; ∀):「――クーねぇ。シューねぇ。」←羞恥に震えるアドバイス部部長。
(゚、゚*トソン「――クーお姉ちゃん。シューお姉ちゃん」←お姉ちゃん欲しかったからノリノリ。
川 ゚ -゚)「…………」
ミ,,゚Д゚彡「……あり? 割と萌えるシチュなのに、血、吐かないんだな」
- 50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:24:27.78 ID:tFHpE7Fh0
lw´‐ _‐ノv「違うよ」
ミ,,゚Д゚彡「え?」
lw´‐ _‐ノv「『萌え』のレベルが受信可能なキャパシティを越えたから、フリーズしてるの」
川 ゚ -゚)「…………」←完全に沈黙。
川 ゚ -゚)「……………………」←つまり、立ったまま気絶。
ミ;゚Д゚彡「えぇ……」
ミ;-Д-彡「これが妹になんのか……」
:( ∀):「俺なんか姉ですよ、コレが……」
- 51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:27:09.15 ID:tFHpE7Fh0
【はじめましてのご挨拶】
ミ,,-Д-彡「改めて――はじめまして。フサだ」
(;^Д^)「はぁ……。えっと、プギャーです……」
(;^Д^)「(デケェ……)」
ミ,,゚Д゚彡「?」←身長192cm。
( ^Д^)「……なんか、でぃに服買ってくれたりしたそうで」
ミ,,^Д^彡「ああ。ちょっとしたお礼だ」
(;^Д^)「そうっスか……。ありがとうございます」
- 52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:30:11.89 ID:tFHpE7Fh0
ミ,,-Д-彡「うん、」
ミ *^Д^彡「――小さくて可愛い女の子に何か与えたくなるのは、ロリコンの共通心理だろう?」
(;^Д^)「……………………え?」
ミ *゚Д゚彡「心理的に考えて、ロリコンなら当たり前の行動、だよな!?」
(;^Д^)「ちょい待って。色々待って」
ミ,,-Д-彡「いや、お前は胸も小さい方が好みなんだから…………ふむ。つるぺた派というわけか」
(;^Д^)「ストップ。フサさん、俺の話を聞こう。いやお願いしますから聞いて下さい」
ミ *-Д-彡「だがしかし! 俺はシューの、こう、小さいのにふにふにした感じが、ぶっちゃけ巨乳が、抱き締めた感触的に考えてとても好きで――」
( #^Д^)「――俺の話を聞けぇぇぇええええ!!!」
- 53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:33:20.81 ID:tFHpE7Fh0
【犯罪者予備軍という名の紳士同盟】
ミ;-Д-彡「なんだ、ロリコン――というか、小さいもの好きのミニコンじゃなかったのか……。がっかりだ……」
(;^Д^)「俺は北海道のファミレスで働く姉三人・妹一人の家庭に育った女装の似合うバイト高校生ツッコミかなんかですか!!」
ミ,,゚Д゚彡っ「……ほれ」ポーイ
( ^Д^)「え? なんすか、これ……」
ゴロニャーン ←生後数ヶ月の子猫。
( *^Д^)っ「ふあ……。ああ、可愛いなぁ……」ナデナデ
( #^Д^)っ「――じゃ・な・く・てッ!!」ナデナデ
ミ,,゚Д゚彡「……とりあえず怒るんだったら撫でる手ェ休めたらどうだ? 見た目的に考えて」
- 54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:36:03.54 ID:tFHpE7Fh0
( #^Д^)っ「いいですか、フサさん」ナデナデ
( #^Д^)っ「俺はロリコンじゃありません。それは、事実無根の単なる悪口です」ナデナデ
ミ,,゚Д゚彡「……でも猫は好きなんだろ?」
(;^Д^)っ「いやっ、別に好きとかそーゆーんじゃ……」ナデリンコナデリンコ
ミ,,゚Д゚彡「説得力皆無だぞ。状態的に考えて」
ゴロニャーン
( *^Д^)っ「ふぁぁ……」ナデーン
( ^Д^)「――とにかく、俺はロリコンじゃありません。それと猫はお返しします」
ミ,,-Д-彡「おう。シューのマンションで飼ってるから、たまには遊びに来い」
( *^Д^)「いやったぁぁぁぁぁぁあああああ!!!(……時間ができたら、まぁ)」
ミ;゚Д゚彡「おーい、本心ダダ漏れだぞー。ボケが古典的過ぎるー」
- 55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:39:03.86 ID:tFHpE7Fh0
【あの頃、僕達は若かった】
lw*´‐ _‐ノv「――何処にも行くなよ」
ミ,,゚Д゚彡「わかった」
lw*´‐ _‐ノv「ずっと僕の傍にいてくれよ。頼むぜ」
ミ,,-Д-彡「一人称とか喋り方とか、いい加減に直せばいいのに……」
lw*´‐ _‐ノv「いいじゃないか。僕と君の思い出の結晶だろう?」
ミ,,゚Д゚彡「思い出、思い出なぁ……」
lw*´‐ _‐ノv「毎日のように一緒にいたじゃあないか」
- 57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:42:03.38 ID:tFHpE7Fh0
〜 回想・中高時代 in 図書館 〜
ミ,,-Д-彡「……」←読書中。
lw´‐ _‐ノv カリカリカリ… ←勉強中。
〜 回想終わり 〜
ミ;゚Д゚彡「(――あれ? 毎日一緒にいたはずのに、楽しげな記憶が全然ないぞ?)」
lw*´‐ _‐ノv「昔みたいに……毎日一緒。これから楽しみだなぁ」
ミ;-Д-彡「(これを今やると『家庭内別居』になっちゃうんじゃないか? 一般的に考えて……)」
- 58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:45:03.61 ID:tFHpE7Fh0
【いつも通り二人で過ごしていた頃の七夕・その後】
lw´‐ _‐ノv「馬鹿野郎め。あっただろう、色々。幼馴染っぽいラブラブなイベント」
ミ,,゚Д゚彡「……あったっけ?」
lw´‐ _‐ノv「よくもそれで女の子と付き合えていたものだね、君は。僕の誕生日を忘れたとかいうことはないだろうな?」
ミ,,-Д-彡「それは覚えてるが……。幼馴染っぽいイベント、なぁ……」
ミ,,゚Д゚彡「――おおっ!!」
lw*´‐ _‐ノv「どうだ? 思い出したか?」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。付き合い出した日、七夕のことを思い出した」
- 59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:48:05.10 ID:tFHpE7Fh0
〜 回想・七夕、祭りの帰り道にて 〜
lw;´‐ _‐ノv「――いたっ」
ミ;゚Д゚彡「シュー? どうした?」
lw;´‐ _‐ノv「いやいや……。なんでもない、よ」
ミ,,-Д-彡「嘘つけ。捻挫でもしたんだろ」
スッ…
ミ,,-Д-彡「――ほらよ」
lw´‐ _‐ノv「え……」
ミ,, ー彡「手間かかる幼馴染――恋人だな。労力的に考えて」
lw*´ _ ノv「…………ありがとう」
- 60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:51:11.14 ID:tFHpE7Fh0
lw´‐ _‐ノv「お言葉に甘えさえて貰うよ。……よっと」
…むにゅ
ミ;゚Д゚彡「――っ!!」
lw´‐ _‐ノv「? どうした?」
ミ *-Д-彡「(……ヤベェ。背中に、なんかこう、軟体動物チックなマシュマロ物体が――!!)」
lw;´‐ _‐ノv「……ううん、安定しないな。というか、身長高過ぎて怖い……首に手回すぞ」
…むにゅうー
ミ * Д彡「(凄い。これは……凄い。前に背負った時より成長してやがる。こんなちっこい身体のくせに……)」
ミ * Д彡「(しかも良い匂いするし……。うわ、うわぁ……)」
lw;´‐ _‐ノv「なんだ? 僕、重いか? 重いのか?」
〜 回想終わり 〜
- 62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:54:10.02 ID:tFHpE7Fh0
ミ,,-Д-彡「――と、言う」
lw;´‐ _‐ノv「君の思い出は僕の胸だけなのかよ……。うわぁ、がっかり……」
ミ,,゚Д゚彡「高校生的に考えると仕方ないことだ」
ミ *-Д-彡「……しかも、それが小さい頃からずっと一緒にいた相手ともなるとなぁ……。はぁ……」
lw;´‐ _‐ノv「僕の胸を凝視しながら感嘆の溜息を漏らさないで欲しいんだけど」
ミ,,-Д-彡「中学時代から付き合って揉みまくってたらもっと大きくなったのかな……」
lw;´‐ _‐ノv「いや、もう僕からすると、今のサイズでも若干邪魔になっ――」
ミ #゚Д゚彡「――馬鹿野郎っ! 口を慎め!!」
lw;´‐ _‐ノv「……何もそこまで怒らなくとも……。そんなにコレが好きだったのか……」
ミ,,-Д-彡「……そういうわけじゃないんだが、な」
- 63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 22:57:22.72 ID:tFHpE7Fh0
ミ;゚Д゚彡「――まぁ一応、義理の妹候補が泣いてるわけだから……」
lw´‐ _‐ノv「え?」
:(う、 トソン:「じゃま、じゃま……。そんな立派なものがあるのに、邪魔って……」
(;、;トソン「ううぅぅぅ……。うぅぅ……」
lw;´‐ _‐ノv「ええっ、いや、あの……」
(う、;トソン「話しかけないで下さい! この勝ち組!たゆんたゆん!! ――うあぁぁぁあああん!!!」
ダッ!!
ミ,,-Д-彡つ「……胸なんてお前の魅力の一つに過ぎない。でも、多少は他の人のこと考えような」ポン
lw;´‐ _‐ノv「僕が悪いの? ええぇ……」
- 64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:00:48.51 ID:tFHpE7Fh0
【―― The one and only. 】
ミ,,゚Д゚彡「そういや、プレゼントはなんだったんだ?」
lw´‐ _‐ノv「ん? チョーカーだよ」
lw*´‐ _‐ノv「君の所有権を主張する為のものだったけど……先に僕がやられてしまったみたいだね」
ミ,,-Д-彡「ムーンストーンは嫌だったか?」
lw´‐ _‐ノv「まさか。君からもらったものなら、なんでも嬉しい」
ミ,,-Д-彡「……そーかい」
lw´‐ _‐ノv「他に欲しいものは?」
ミ,,-Д-彡「俺の欲しいものなんざ……お前以外には何もないさ。ずっと、昔から」
lw´‐ _‐ノv「何を言っているんだか」
- 65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:03:23.86 ID:tFHpE7Fh0
lw*´ _ ノv「――こんな指輪なんてなくても、僕は、最初から君に予約済みだったよ。ずっと、昔から」
ミ,,-Д-彡「……馬鹿だな、お前」
lw´‐ _‐ノv「ああ、馬鹿だな。君は」
川 -)「好き合ってた幼馴染同士が……。ふん、時間の無駄遣いだぞ」
( ・∀・)「君の為に世界を犠牲にしても世界の為に君を犠牲にはしたくない。……時間ぐらいで済んだなら、十分安上がりだろ?」
川 ゚ -゚)「……バイロンはやはり男だな。その言葉は、女には相応しくない」
川 -ー-)「――女にとっての世界とは、愛した男のことなんだから……」
Call back‐6 END
- 66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:06:13.37 ID:tFHpE7Fh0
続いて、オフレコとメタおまけ。
オフレコは読む必要性がまったくないので気が向いたら程度に。
※本編の明るい雰囲気台無しです。
※閲覧注意。
- 67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:09:09.65 ID:tFHpE7Fh0
―― Off the record.
- 69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:12:17.99 ID:tFHpE7Fh0
(;^Д^)「――――為せば成る!!」
頼りなく揺れる尻尾。
ふわりとした感触。触り心地が良い。
(;#// -/)「ひあッ――!!?」
妙に色っぽい、艶みのある声を出して、でぃの身体が一瞬硬直。
涙を溜めた瞳がこちらを見た。
それは、
怒っているような、
怖がっているような、
そして――、
- 71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:15:18.94 ID:tFHpE7Fh0
――愉しんでいるような色を持つ、瞳だった。
(#// -/)「――――んっ、やっ、ダメっ、んぅぁぁあぁああああんっ!!!」
- 73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:19:21.65 ID:tFHpE7Fh0
(#// -/)「あっ、んっ……!」
ストンと崩れるように腰が落ちる。
ついで、股をの間を押さえ、でぃは蹲った。
……それは昔見た景色によく似ていた。おねしょをしてしまった妹の仕草に、とても、よく。
:(#// -/):「うう、うぅぅぅ……っ」
ビクリビクリと全身を小刻みに震えさせる。
息が荒い。
露出した傷だらけの太股。
その、スカートに隠れていた部分は、たとえようもなくいやらしく濡れて。
年不相応な、けれど、これ以上なく正しい反応。
それが何かは考えたくなかった。
考えられなかった。
- 74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:22:10.18 ID:tFHpE7Fh0
- 理解が追いつかず、硬直している自分が恨めしい。
……いや、深く考えなかった自分か。
そんな俺を見かねたのだろうか、でぃは紅潮した顔を伏せった。
震える唇が言葉を紡いだ。
(#// -/)「……って」
(;^Д^)「…………」
(#// -/)「出てって……お願い、だから…………」
今にも消えそうな、か細い声だった。
今まさに理性を取り戻したかのような仕草だった。
顔を覆うでぃを残して、外に出る。
生憎と女の為に動くのには、慣れきっている。
- 75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:25:06.55 ID:tFHpE7Fh0
――どれくらい時が経っただろう。
一分だった気もするし、一時間だった気もする。
(; Д)「あの、クソ兄貴が……」
どういうことかは分からない。でも大体の予想はついていた。
あの兄貴が説明を怠ったのだろう。
その結果がこれだ。
( ^Д^)「……どうしようもないな、本当に」
兄貴も――俺も。
事前に説明されていればどうにかできたとは思えなかった。
- 76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:28:20.14 ID:tFHpE7Fh0
唐突にドアが開いた。
彼女。一着しかない“普通の服”を着た彼女が出てきた。
(# ;;-)「…………散歩、です」
声をかけようとした瞬間、そう言われた。
なんて言おうと思っていたのかは……分からない。
――それでも。
何かを言わないとと思って――俺は。
( ^Д^)「……門限は五時だぞ」
目を見ず、姿さえも見ずにそう言った。
彼女は答えなかった。
- 77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:31:05.22 ID:tFHpE7Fh0
【――SIDE. (#゚;;-゚)――】
(# ;;-)「…………」
――プギャーさんのお兄様は、分かっていた。
「自分もそうだから」と笑って言っていた。否定はできなかった。
あの人から貰った小さなピルケースは、もう振っても音は鳴らない。
少し前に切れてしまっていた。
中に入っていたのはメチルフェニデート……だっただろうか。よくは覚えていない。
でも、一つだけ言える。
これが切れるまでは――私は普通の女の子でいられた。
- 78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:34:04.50 ID:tFHpE7Fh0
(#゚;;-゚)「…………」
我ながら、どうしようもないと思う。
そもそもは、こんな風に生きるつもりはなかったのだから仕方ないとも言えるけど。
どうしようもない。
今、ようやく分かった。
何百年も脈々と受け継がれた『異常』と、僅か十数年の『教育』は、伊達ではなかった。
途方もない決意と執念の結果。
私達の存在意義。
罪と汚濁と血に塗れた、けれど崇高で、何を以てしても代替不可能な。
――結局のところ。
私には、それしかなく――これ以外は無理だったのだろう。
- 80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:37:07.26 ID:tFHpE7Fh0
今後のことを考えながら角を曲がった。
そして直ぐ後悔した。
(;#゚;;-゚)「えっ……」
がつん、がつん、がつん、がつ……ぐしゃ、ぐしゃ、ぐしゃ、ぐしゃ。
何かが壁とぶつかる音。
その“何か”はコンクリートに当たる度に割れて削れて、赤い液体を撒いている。
(#゚;;-゚)「…………」
- 81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:40:20.72 ID:tFHpE7Fh0
- 久しぶりのことなので認識が遅れたが、それは人だった。
ぶつけられているのは頭。もう体積が半分以下になってしまったけど。
赤い液体は血で、付随しているのは脳漿だろう。
「――飽きた」
明らかなオーバーキルを引き起こしたその人は突如としてそう言って――死体を真後ろへ放った。
普通の状態ならまず鳴らないような音がして、着弾。
赤い円が少し広がった。
(#゚;;-゚)「…………なんで、」
「ん? そこにいたからだよ。それだけだよ」
油断していると魂を抜き取られてしまいそうな――そんな美貌を持つ少女は、事も無げにそう言った。
天使のような笑みを付け加えて。
- 82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:43:12.21 ID:tFHpE7Fh0
- 「傾国の美女」という表現。それがここまで似合う人もそうそういない。
本来の意味とは……少し、違うかもしれないけど。
多分、この人はそうなんだ。“そこにいる”ということが理由になるタイプの殺人鬼。
何の理由もなくて、最初からそうなんだ。
どうしようもないんだ。
私と同じなんだ。
(;#゚;;-゚)「っ……」
――彼女は。
- 83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2010/08/21(土) 23:46:19.46 ID:tFHpE7Fh0
ただ、彼女は。
一つの理由もなく、僅かな決意もなく、あらゆる過去もなく、万別の大義もなく、あるべき意識もない彼女は。
好意も敬意も誠意も作意も悪意も逆意も敵意も害意も隔意も真意も――最初からなんの意思も、その最低限すらない彼女は。
私が始めて出会った頃の彼女は。
その時の彼女は。
|゚ノ*^∀^)「――君だって、僕と同じでしょ?」
まだ『最強』ではなく、
――――ただの『天災』に過ぎなかった。
―― Continue ?
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